ジュリーニ指揮コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏で、ドヴォルザークの交響曲7番を聴く(1993年2月、アムステルダム、コンセルトヘボウでの録音)。
ジュリーニは、知る限り、この曲をセッションで2度録音している。最初は、1970年代半ばにロンドン・フィルと、2度目がこのディスク。
どちらも、しっとりとした響きが味わい深い演奏である。
ロンドン・フィルは、ご存じのように、まるでその街の薄曇りのような音色を出すオーケストラで、まったりとしたEMIの録音と、湿り気が多くて柔らかな音色が相俟った演奏、それに対しこれも、重厚なオーケストラの特色が存分に出ており、CBSの録音も弾力に富んでいる。
穏やかなシーンはゆったりと厚みがあり、激しい部分は弦楽器と金管楽器がふくよかな響きを存分に醸し出している。
細部に拘って丁寧なのはロンドン・フィルのほうだが、こちらもオーケストラが優れているだけに、まずまず聴かせる。
余談であるが、このオーケストラは、いつのタイミングで「ロイヤル」という冠詞がついたのだろう。例えば、フィルハーモニア管弦楽団は、1964年の途中から1978年の途中までの間は、いまだに「ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」を名乗っている。でも、このオーケストラは、昔まで遡及してロイヤルをつけている。なぜなのだろう。
図書館。
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