錦糸町楽天地シネマズでクリストファー・ノーラン監督の「インターステラー」を観る。
これは、近未来の地球と宇宙の話。食糧難に陥ったために、他の星に居住すべく探索に出かける主人公とその娘との愛情を描いている。
マイケル・ケインやジョン・リスゴー、エレン・バーステインなど懐かしい役者に加え、マット・デイモンも端役で登場していて楽しい。
相対性理論や5次元などという、よくわからない用語が飛び交うために、細部がわかりづらい。とはいえ、映像は見せる。土星の輪っかの、なんと美しいこと。
父と娘との邂逅がこの映画の主題であり、それは前半に謎解きのかたちで示され、ラストで種明かしされる。それが、なんとも甘い。そういう意味で賛否両論あるかと思うが、私はこういう甘さが好きだ。50年代のハリウッド的なセンチメンタル。
シルヴェストリ指揮パリ音楽院管弦楽団の演奏で、ドビュッシーの「海」を聴く。
シルヴェストリは、フランクではフィルハーモニア管弦楽団、サン・サーンスやデュカはボーンマス交響楽団と演奏しているが、このドビュッシーはパリ音楽院管弦楽団とやっている。フランスもの(というくくりはあまり精確ではないかもしれないが)をやるのであれば、モノラルであっても、パリ音楽院管弦楽団を聴きたい。
パリ音楽院といえば、管楽器が素晴らしいという定評であるし、事実そうだと思う。この演奏では、弦楽器もとてもいい。水のしたたるような、艶っぽい響きを惜しまない。速い箇所での切れのよさと、どうということのない場面での妖艶な佇まいは、他のオーケストラではあまり耳にしない類のものだ。このあたりは、全曲中の聴きどころ。
そしてハープもいい。マイクを近づけて収録しているのかもしれないが、かなり大きく聴こえる。その音は、黄金色に輝いていて、わずかな湿り気を湛えている。
素晴らしいオーケストラだ。
シルヴェストリは、特に変わったことはしていない。彼にしては穏健だ。中庸なテンポ、生き生きとした表情でもって、この曲を今生まれたかのように創造している。
録音はモノラルだが、細部の音までキチンと捉えられている。
1958年3月、パリ、サル・ワグラムでの録音。
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