ドビュッシー「管弦楽曲集」 オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団あけましておめでとうございます。
今年も性懲りもなく、本を読んだ感想や音楽についての戯言を書いてまいります。
よろしくお願いいたします。
大晦日にフリッチャイの第九を聴きながら読んだ漫画。
吉田戦車の「歯ぎしり球団」。
野球を愛する中学生たちが野球部の設立を求めて校長先生と交渉する。校長が指名するチームに勝てば認めてもらえることになったが、対戦するのは蛇、宇宙飛行士、たくあん人間、浮気者、悪の秘密組織など、ひとくせもふたくせもある
チームばかり。連戦連敗の末に少年たちがつかんだものは…。
あとがきでも語られているが、作者の野球に対する思い入れがほんのりとにじみ出ている漫画である。梶原一騎とかちばあきおみたいに「野球」がガツンとストレートにぶつかってくるのではなく、あくまでじわじわ。このじわじわがいい。
2010年の初聴きは、ドビュッシーの「海」。
カーンと冴えわたる管弦楽の妙が正月の清々しい空気にあっている、ような気がした。それを求めるならば、ジュリーニやブーレーズ、オーマンディあたりの演奏がふさわしいのではないかな、と思いつつ最近入手したオーマンディをおもむろに取りだす。
適度に脂がのった色気のある弦楽器、カラッとして緻密な木管、そして輝かしくきらめくトランペット。こころもち遅めのテンポのなかで、どの楽器も明快に鳴りきっていて気持ちがいい。この演奏を聴くと、北斎の「海」というよりは満天に冷たく光る星の神秘に思いを馳せたくなる。
1959年1月の録音。
悪の秘密組織の大将。
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