忍者ブログ

カラヤンの「悲愴」

2006.06.05 - チャイコフスキー
カラヤンの「悲愴」といっても、今回はベルリン・フィルや
ウイーン・フィルとのものではなく、フィルハーモニア管とのもの。

カラヤン


元ネタは、「悲愴」と「田園」そして「新世界から」という、
なんとも言いようのないカップリングの2枚組みLPである。
「新世界から」のみベルリン・フィルとのステレオで、
あとのはフィルハーモニア管での擬似ステレオ。
当時は、擬似ステものが結構多かった。
あのフルトヴェングラー/バイロイトの盤も、当時は擬似ステ
だったのではないかしら。

そのとき小学校6年生だった小生は、「田園」を買うがために、
レコード店に向かったのであった。
秋葉原は「電気のことなら石丸電気♪」に。
  ※関東地方だけだろうか? そういうCMがあったのだ。
少ない小遣いをひねり出して買うわけだから、「田園」と、
できればもうひとつ交響曲が入っているレコードを目指していた。
「なんとか序曲」とかでは、損な気がしたのだ。
少なくても両面で60分は超えなきゃイカン、と。

探した結果、候補がふたつあがった。
まず、「田園」と「運命」が入っているもの。指揮はカラヤン。
もうひとつが、この2枚組み。
田園/運命はたしか2000円ぐらいで、2枚組みのほうは
3000円。しかも、有名曲が3曲もはいっている。
ちょっと高いが、なんだかお得だ。
ということで、最後は費用対効果で決まったのだった。

毎日楽しく、まんべんなく3曲を聴いていたが、だんだんと
「悲愴」が好きになっていった。
特に第3楽章が気に入った。
序盤の弾むようなワクワク感と、勇壮なマーチの部分。
マーチの演奏は、今聴いても、金管楽器のキレが魅力的で、
どんな演奏にもひけをとらないと思う。

ところが、このマーチの繰り返しの部分で1箇所、金管が暴走して、
完全にずれているところがあるのだ。
編集ミスではないように思う。
明らかに、演奏の技術的なミスに聴こえる。
しかしこれが絶妙にはまっていて、慣れてくると、こちらのほうが
迫力があるのである。
後に聴いたムラヴィンスキーやジュリーニなどの演奏が物足りなく
なったほどだ。

フルトヴェングラー/バイロイト「第九」の最後の音ズレみたいな、
そんなステキな暴走ぶりである。

今は廃盤なのだろうか?


★古典音楽blogランキング!

★クラシック音楽ブログ集

★にほんブログ村 クラシックブログ
PR
   Comment(2)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

無題 - stbh

吉田さん、stbhです。おじゃまいたします。
「でっかいわぁ」ですね(^^

EMIの2枚組、いろいろありましたね。カラヤンのチャイコフスキー、フィルハーモニア盤は聴いていないのですが、ベルリン・フィルとの後期3曲がLP2枚に詰め込まれたのを聴いていました。
ついでに、フルヴェン/バイロイトの第九、うちのLPは擬似ステの1枚ものです。オリジナルの2枚組は高くて買う気になれませんでした…。
2006.06.11 Sun 10:33 URL [ Edit ]

無題 - 吉田

stbhさん、こんにちは!
地理的な事情で、最近は「でっかいわぁ」にはとんとご無沙汰になってしまいました。
私の通っていた頃は、1割引きのサービス券がついて大変オトクでしたが、今はどうなのでしょう。

ベルリン・フィルとのEMI盤は昔に聴いたことがあります。とても豊満な演奏だったという印象があります。
擬似ステ、最近はあまりみかけないようですが、あの怪しさがけっこう好きでした。
2006.06.11 Sun 13:39 URL [ Edit ]
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
4 5 6 7 8 9
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー