もう春です。
バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの演奏で、ストラヴィンスキーの「春の祭典」を聴く。
これは水際立った名演奏。
重厚感と切れ味を併せ持ったハルサイ。才気煥発とは、この演奏のこと。
バーンスタインの指揮はテンポこそ驚きはないが、いたるところにピリリときいた仕掛けを施してあるので、聴きごたえじゅうぶん。
特筆は「大地の踊り」。もともとスゴイ曲であるが、こんなにも追い込みが鋭い演奏を聴いたことがない。バリっとしたトランペットのリズムに乗って、ヴァイオリンとホルンが軽やかに圧力をかけていくところ、手に汗を握らないではいられない。
弦楽器も木管楽器も雄弁だが、やはりこの曲は金管と打楽器。ニューヨーク・フィルの腕っこきが、ここぞとばかりに名技を繰り広げるさまは、なんとも痛快。
ラストの一撃に添えられたシンバルの装飾音がじつに効果的!
「ハルサイ」のディスクは星の数ほどあるわけだから、いい演奏も多い。両手では足りないだろう。その中でも、このバーンスタイン盤は最も強力な1枚だと言える。
録音はステレオ初期にしては最上の出来だと思う。不満なし。レヴィング・ステレオやデッカに匹敵する。
1958年1月、ニューヨーク、ブルックリン、セント・ジョージ・ホテルでの録音。
おでんとツイッターやってます!八甲田その16。
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