ブロドスキー四重奏団の演奏で、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲2番を聴きました(1988年、ベルリン、テルデック・スタジオでの録音)。
ショスタコーヴィッチの交響曲は、音の多さがなんとも虚無的な感じを受けるので苦手。ベルリオーズやマーラーとはなにか違う印象があります。
一時期は、ショスタコーヴィッチしか演奏しないアマチュアの精鋭集団「オーケストラ・ダスビダーニャ」のコンサートに通ったものですが、最近諦めました。
そんなとき、友達に四重奏のCDを勧められ、これが当たった。適度な親密感、落ち着きのある深み、そしてまだ全部は聴いていないものの、このボルテージでの「量」を考慮すると、彼をベートーヴェン以来最大級の四重奏作家として挙げることに躊躇はないかと。
この2番は、1944年に作曲・初演されました。不穏、というか戦争真っ只中の作品でありますが、普通に美しい。濁りのない響きは時代を超越しているといえましょう。
ブロドスキーの演奏は、暗すぎず明るすぎず、ときに切っ先鋭く、ときに柔らかく沈滞し、じつに表情豊か。テクニックも万全。おおいに歯応えのある演奏だと感じました。
もう1枚も楽しみだし、ゆくゆくは全集を手に入れようかと。
パースのビッグムーン。
PR