ジャン・マルティノン指揮フランス国立放送管弦楽団の演奏で、サン=サーンスの交響曲3番「オルガン付き」を聴く(1970年9月、フランス国立放送104スタジオでの録音)。
マルティノンはこの曲を2度録音しており、これは最初のもの。
この演奏を聴くのは、約30年ぶり。
2楽章の出だし(4部中の3部の頭、とも言うか)のティンパニの音が気に入らなくて、ずっと封印していた。けれど今聴くと、ティンパニはあまり明瞭ではないもののそう悪くないし、全体を通しては高い水準の演奏だと、あらためて感じる。
1部はとてもしっとり。潤いのある弦楽器が滴るように瑞々しい。オーボエのほっそりした音、ふくらみのあるフルートなど、このオーケストラだから、管楽器はとてもいい。
2部は重厚なオルガンと、たっぷりと厚みのある弦がとても雄弁。うねるように強弱の変化をつけているが、いたって自然。うららかさと荘厳さが交互に姿をあらわす。
3部は勢い重視。テンポは、心もち速いかな。せわしくも楽しげにリズムを刻む木管楽器群の存在感が大きくて、やはりこのあたりは昔のフランスのオーケストラなんだと感じる。
4部はまあ、音の洪水ですネ。オルガンと大オーケストラとの音響の競い合い。アランのオルガンはおおらかで煌びやか。全奏のなかでキラリ光るピッコロ、毅然としたオーボエ、濃厚なクラリネット、ヴィブラートのきいたホルンがいい。
マリー・クレール・アラン(オルガン)
屋根の上のパーティ。
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