コレッリの題名役、ボニング指揮ロンドン交響楽団・他の演奏で、グノー「ファウスト」を聴きました(1966年6-7月、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音)。
何年か前の英国ロイヤル・オペラで聴いて以来、このオペラを気に入っています。甘いメロディが満載なのにも関わらず継ぎ目の流れが自然なところ、そして色彩の華やかさを気に入っています。
だから、店頭で目にしたら買おうと思っていたのだけど、案外と少ない。だから、これを見つけたときは得をした気分に。煌めく名歌手3人のうち、サザーランドはあまり聴いたことがないので、特に楽しみにしていました。ついでに言えば、ここで指揮をしている彼女のパートナーのボニングは昔からわりと好き。
ファウストの歌唱はとてもいい感じでおフランスしているように聴こえ(フランス語をわかりませんが)、鼻にかかった発音と張り切った声が相まって、悲喜こもごもの夢を情感豊かに展開しています。
メフィストフェレスはドスがたっぷりと効いているうえに、若さがパツパツと漲ってスキがないスタイリッシュな悪魔。
マルグリートもおフランス感が満載、フレーズに細かな味付けを施しており、飽きさせません。声そのものがフランス料理のメインディッシュばりにグラマラスなところは処女っぽく感じないのだけど、それはいいか。
ラスト近くの三重唱に震えました。
ボニングのオーケストラは骨太でありながら彩り豊か。バレエ音楽もさすがの演奏。合唱も冴えています。じつに楽しい「ファウスト」。
デッカの録音も豊満にして鮮明。
フランコ・コレッリ(ファウスト)
ニコライ・ギャウロフ(メフィストフェレス)
ジョーン・サザーランド(マルグリート)
ロベール・マサール(ヴァランタン)
マルグレータ・エルキンス(シーベル)
モニカ・シンクレア(マルト)
レイモン・マイヤー(ワーグナー)
アムブロジアン・オペラ・コーラス
リチャード・ボニング指揮ロンドン交響楽団
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