今年は、大震災で親戚が何人か亡くなったのを皮切りに、夏に長年患っていた義父が逝き、冬には母が急逝、おまけに自分も体調を崩すなど、まったくもってろくなことがなかった。
そんななか、これは自分のジンセイを見つめ直すいい機会と思いつつも、相変わらずの乱読・乱聴。これでは進歩がない。
これからは本を漫然と読みちらかすのではなく、じっくりと対峙するべきだろう。先人たちの教えを吸収したり批判したりしながら、人間的な成長というやつを実現しなければならない。大人のシブい魅力を、謙遜しつつもおおっぴらに発散する時期でもあろう。
それを実現した暁には、お店のお姉ちゃんにもっとモテているに違いない。
「野茂英雄」(ロバート・ホワイティング(松井みどり訳)) ノーヒット・ノーランの感動がよみがえる。
「トーニオ・クレーガー」(トーマス・マン (平野卿子訳)) 挿絵も気がきいている。
「夜間飛行」(サン=テグジュペリ(二木麻里訳))ビジネス本としても第一級。
「私家版・ユダヤ文化論」(内田樹)わからないことに対峙する迫力。
「俺は、中小企業のおやじ」(鈴木修)たまにはオッサンの自慢話をきくのもいい。
「赤目四十八瀧心中未遂」(車谷長吉)女の妖しさが魅力。
「小泉八雲集」切れ味鋭い珠玉の短編集。
「インドなんて二度と行くか!ボケ!!」(さくら剛)思わずインドに行きたくなる。
「放浪記」(林芙美子)朝露のような文章のみずみずしさ。
「庭の眺め」(梅崎春生)この短い小説に、人間の不思議さ厭らしさが凝縮されている。
「輝く日の宮」(丸谷才一)中年男のいやらしさ満開。
「チャイルド44」(トム・ロブ・スミス(田口俊樹訳))アクションシーンがなんとも痛そう。
「後日の話」(河野多恵子)不思議な味のある小説。
「反哲学入門」(木田元)しっかり腑に落ちる哲学入門書。
「初恋」(トゥルゲーネフ(沼野恭子訳))はかないのが初恋。
「自動車絶望工場」(鎌田慧)労働の厳しさに耐える筆者のど根性。
「1Q84」(村上春樹)古典に対する愛情が溢れている。
「茶粥の記」(矢田津世子)「めぞん一刻」はこの短編をモデルにしたのでは?
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