忍者ブログ

選択したカテゴリの記事一覧

マゼール、"シェエラザード"

2014.12.20 - R・コルサコフ

so



マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団の演奏で、R・コルサコフの「シェエラザード」を聴く。

この演奏は、LP時代によく聴いていた。30年くらい前のことである。思い出は美しいから、美化される。この演奏もそうで、その後いろいろな「シェエラザード」を聴いてきたなかで一番のお気に入りとしていた。
改めて聴くと、悪くはないが、一番とは言えないかな。1楽章のチューバの鳴りがよくないからだ。第2主題のここが明確に聴こえないと、気持ちが悪い。意図的に鳴らさないようにしている気配も感じられるが、楽譜には書かれていないのだろうか。まあ、鳴っていた方がいい。
あと、2楽章の前半で弦楽器のアンサンブルに乱れがあるのは、このコンビにしては珍しい。

そのほかのところは、いかにもマゼールのクリーヴランド時代といった、ポキポキ感が満載であるから聴きごたえがある。こんなに小回りのキレがいい「シェエラザード」はないだろう。大オーケストラのエキスをギュッと濃縮したような音なのである。ひとつひとつのパートにキッチリと目が行き届いている。ティンパニと金管との溶け具合は最高。いい音を出している。

個々の奏者はうまい。とくにファゴット、オーボエ、トロンボーンは名人芸。言い忘れてはいけないのは小太鼓。4楽章のクライマックスで、一粒づつ聴こえる几帳面さは異色であるかもしれないが、面白いことこの上ない。
ヴァイオリン・ソロはダニエル・マジェスケ。小粒でピリリと辛いところが、オーケストラのスタイルに合っている。

マゼールがベルリン・フィルを振ったこの曲の演奏を、改めて聴きたくなった。


1977年10月、クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアムでの録音。



おでんとツイッター始めました!




ma


教会。












PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP
カレンダー
11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー