R・コルサコフ「シェエラザード」 チョン指揮パリ・バスティーユ歌劇場管弦楽団今日は将棋のNHK杯決勝。この時期がくると、もう年度末なのだなと感じる。元旦にも思うけれども、1年の長さというものは、自分が歳をとるにつれて加速をつけて短くなってゆくものだ。
現代は人生80年というけれども、はっきり言ってそんなに長生きしたくもない。残りの正月だって数えるほど迎えられればいい。昔のようなワクワク感はとうにないし。
もっとも、そんなことをいう輩に限って長生きしたりする。困ったものである。
チョンはパリ・バスティーユ・オペラの創立時に音楽監督となり、フランス国内の政治的問題で解任される94年までに5シーズンあまりを務めた。地元での評判は上々であり、経済的にはDGと専属契約を結ぶなどで潤っていたのじゃないだろうか。
オペラはもちろんであるが、ロシア・フランス物を中心とした管弦楽曲の数々の録音は大いに楽しませてくれたから、このオペラ・ハウスとの関係が断たれたことはかえすがえすも残念であった。
この「シェエラザード」は1993年9月の録音。
音楽は、腕利きのペンキ職人が次々と壁の色を塗り替えていくように実にテキパキと進行してゆく。全曲で41分程度だから比較的速い演奏といえるだろう。テンポだけをとれば、あの珍妙にして愛すべきマゼール/クリーヴランド管弦楽団の演奏を彷彿とさせるが、これはあのように角ばったものではなく、とても滑らかで輝かしい響きの演奏となっている。いわゆるロシア的重厚さというものは影をひそめ、この曲には似つかわしくないような「軽やかさ」を感じるのだ。そういった点で、ユニークな解釈だと思う。
フィル・アップの組曲「火の鳥(1919年版)」も、直線に突き進む推進力を感じずにはいられない演奏。PR
Re:mattinaさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
チョン・ミュン・フンという指揮者は非常に個性が強い音楽家です。彼のスピード感溢れる演奏には(必ずしも最上の演奏ばかりというわけではないと思いますが)いつも魅せられます。
人生は面白くつらいです。長生きはしたくないけれど、かといって死にたくもないというような、どこかの本の題名のような心境です(笑)。
2007.03.18 22:35
無題 - しじみ
Re:しじみさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
あー、そうですね。5月でしたか。
彼は、毎回オーケストラをとっかえひっかえして来日しますね。飽きさせない人です。ナンダカンダ言って、まだ一度も生演奏を聴いたことがないので、いつかいきたいと思いつつ…。
「マ・メールロワ」も「春の祭典」も彼が振ったらどうなるのか楽しみではあります。フランス放送フィルっていうのがけっこう謎なオーケストラなので、そこにも興味が湧きます。
2007.03.18 22:41
無題 - mozart1889
Re:mozart1889さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
TBありがとうございます。
mozart1889さんの記事は拝見しておりました。そうそう、このオリジナルのジャケットは素晴らしいです。私のものはオークションで入手した廉価のものです(笑)。
この演奏を聴くと、バスティーユ管の性能の高さを実感します。チョンのコントロールも素晴らしいのでしょう。最近は新録音があまりないのが残念です。
2007.03.19 22:04
無題 - HIROPON
Re:HIROPONさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
こちらこそ、はじめまして。
93年11月にパリでということは、バスティーユですか。うーん、うらやましい。彼は楽団員からの信頼は厚かったにも関わらず、音楽とは関係のない政治的問題で解任されたことは残念でなりません。
おっしゃるように、チョンの指揮にはスピード感があって、音楽を聴く快感を味わわせてくれます。
今後もよろしくお願いいたします。
2007.03.24 17:04
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