クリスティーン・ガーキーの題名役、ノット指揮 東京交響楽団・他の演奏による、R・シュトラウス「エレクトラ」公演に足を運びました(2023年5月14日、サントリーホールにて)。
この曲、昔ベーム指揮のレーザーディスクを持っていたけど、1回視聴したきりで処分し、それ以来聴いていないので、初めて聴くような感覚でした。
20世紀初頭の作品であり、メロディーがクッキリしていないのはいいとしても、音がやたらと多く茫洋としており、オーケストラだけを抜き出すといい曲なのかどうかよくわからない。
でも、歌はいい。終始劇的迫力に満ちていて、ときどき震えました。
エレクトラの豊満さ(身体だけじゃない)、クリソテミスの伸びやかさ、オレストの思慮深さ、若い召使の峻厳さ、第3の侍女の深いコク、目覚ましかった。
ノットのオーケストラは歌手にぴったりと寄り添い、合奏も混濁するところがなかった。プロに向かって言うことじゃないかもしれないけど、高度に習練した技を感じました。
最後に。ハンナ・シュヴァルツの歌唱を聴けたのは、嬉しかった。
エレクトラ=クリスティーン・ガーキー
クリテムネストラ=ハンナ・シュヴァルツ
クリソテミス=シネイド・キャンベル=ウォレス
エギスト=フランク・ファン・アーケン
オレスト=ジェームス・アトキンソン
オレストの養育者=山下浩司
若い召使=伊藤達人
老いた召使=鹿野由之
監視の女=増田のり子
第1の侍女=金子美香
第2の侍女=谷口睦美
第3の侍女=池田香織
第4の侍女/ クリテムネストラの裾持ちの女=髙橋絵理
第5の侍女/ クリテムネストラの側仕えの女=田崎尚美
合唱=二期会合唱団
演出監修=サー・トーマス・アレン
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