巌本真理弦楽四重奏団による、ベートーヴェン弦楽四重奏曲9番「ラズモフスキー3番」を聴きました(1979年3月18日、町田市民ホールでのライヴ録音)
これは巌本さんが亡くなる3か月前に演奏した記録とのこと。ボクが音楽を聴き始めたころに彼女は存命していたけれど、巌本真理弦楽四重奏団の名はすでに伝説のようになっていた記憶があります。
それに、今に至るまでたぶんあまりCDも出回っていなくて、聴く機会は限られていました。
このたび友人のご厚意で、2枚のCDをいただきました。一般には流通していないのだそう。
まずは一枚目から。ベートーヴェンの中期作品をひどくいきり立って演奏することが少なくないけど、これはしみじみ落ち着いている。また、4名が深い熟慮を重ねながら音符に向き合っているように感ぜられ、夏の水遣りみたいにスッと心に染み入ります。
アンコールのチャイコフスキー「アンダンテ・カンタービレ」も素敵。弱音器の響きがきめ細かくて、優美。トルストイを泣かせる演奏かも。
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