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カサッツァのヴィヴァルディ「8つの荘厳な協奏曲」

2010.11.13 - ヴィヴァルディ
   
vi

エンリコ・カサッツァ(Vn) ラ・マニフィカ・コムニタ


大前研一の「即戦力の磨き方」を読む。
内容は「サラリーマン・リカバリー」や「サラリーマン再起動マニュアル」と重複するところが多い。さすがの大前さんでも、これだけ多くの本を出していればそういうこともあるわけで、新味にはかけるかもしれない。ただ、個々の提案は手を変え品を変えているので飽きない。
例えば、リタイア後の海外移住はミャンマーがお勧めらしい。軍事政権が終了して民主化が進めば、これほど暮らしやすい国はないとのこと。発想がユニークだ。ミャンマーは物価が安いので、メイドが月25ドルで雇えるんだそうだ。
毎日がメイドカフェ。


この「8つの荘厳な協奏曲」、世界初録音だそうである。ヴィヴァルディの研究はほとんど進んでいないと、昔に読んだ本にあった(吉田秀和の「LP300選だったか?)が、いまはどうなのだろう。
星の数ほどもあるヴィヴァルディの協奏曲のなかで、録音されているかどうかを確認することはなかなか容易ではないような気がするから、30年前に比べれば進んだのかもしれない。もっとも、ヴィヴァルディの音楽は「四季」を除いては違いのわからぬ男なので、研究もなにも関係ないっちゃ関係ない。
ヴィヴァルディの協奏曲はどれも似たようなもの、そんなイメージを持ちつつも、大きな括りで言ってしまえば、ヘンデルの音楽だってそういうことになる。
この協奏曲集、何度も聴いているうちに、同じどころか曲はそれぞれ全く異なることがようやくわかる。髪型から服装、そして性格に至るまで独自の味がある。
演奏は場面に応じて硬軟を取り混ぜている。抒情的なところで、ふと力を抜いたりする加減が心地よい。
後半で、ほんの一瞬だけれど、ニールセンの小組曲やメンデルスゾーンの八重奏を思わせる匂いが漂ってきたりして、なんだか懐かしくて面白い。
このCDは、木曽のあばら屋さんのご紹介で。

2009年、ヴェニスでの録音。
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