ワーグナー 名合唱曲集 ショルティ指揮ウイーン・フィル、シカゴ饗 他昨日は中古レコード屋を覗きに行ってみた。BGMにLPレコードをかけていた。シューマンの「詩人の恋」で、とてもゆっくりとしたテンポで丁寧な歌いぶり。誰が歌っているのかわからなかったが、なかなかいい感じであった。それを聴きながらいろいろ物色していると、途中で針飛び発生。同じ箇所を20回くらい繰り返したところで、店員がそっと指で針を進めていた。
うーん、懐かしい。この針飛びも今ではLPの魅力なのだなあと思った。当時はこれがやっかいで、いや今でもじゅうぶんにやっかいなものである。かといって多くのLPを処分しないでとってあるのは、やっぱり独特の音色の魅力、そしてジャケットの綺麗さがあるからなのだろう。
さて、ショルティ。
彼はデッカにワーグナーの主要作品のほとんどを録音している。なので、いろいろな形で抜粋盤が出ているが、その中でもこの合唱曲集は、最も節操がなくて贅沢なもののひとつなのじゃなかろうか。
「ローエングリン」からは第3幕の前奏曲と婚礼の合唱。
「タンホイザー」から巡礼の合唱。
「さまよえるオランダ人」から水夫の合唱。
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から徒弟たちの踊り。
「パルシファル」から聖杯騎士の合唱。
ウイーン・フィルとシカゴ饗という2大オケのコラボである。ウイーンをショルティが振ると硬質に響くという評判があり、ある意味事実だと思うが、1枚のCDの中でこの2つを聴き比べると、ウイーンがいかに柔らかい響きを出すかが改めてわかる。逆に言うとシカゴの音がやたらと硬い。「オランダ人」でぶっ放される金管とティンパニの無機的で金属的な響きはすさまじい。金属でいうと鉄ではなくてアルミっぽい。これほど完膚なきまでに鳴らしているのは、なにかの病気ではないかと勘ぐってしまうくらいであるが、なんとも、聴きごたえがある。ストレスが吹っ飛ぶような音響の快感がある。
「オランダ人」以外はウイーン・フィルと国立歌劇場合唱団であるが、やはりショルティ色が濃く、か弱い女性をむりやり、といった感じのサディズムたっぷりのスタイル。
ここしばらくショルティの音楽から遠ざかっていたが、1年か2年にいっぺんくらい、むしょうに彼の音楽を聴きたくなるときがある。それが最近じわじわきているようで、このCDがそのノロシとなる可能性大。PR
無題 - Niklaus Vogel
Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
ショルティの「パルシファル」は良さそうなんですよ、これだけしか聴いていませんが。レコード雑誌などではクナッパーツブッシュとカラヤン盤が好評で、ショルティ盤は無視されているようですが、どうも怪しい。
ショルティは最も興味ある指揮者のひとりで、演目や自分の体調によっては全く面白くないときもありますが、信頼度は高いです。最近発売された1200円シリーズもボチボチ集めたいと思っております。
2007.03.11 00:00
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司
LPは面積が大きいだけあって雰囲気があります。ジャケットが美しいものは映えますし、音質も良いですし。ただ、メンテナンスが大変であります。私のような不精者には、やはりCDのほうがいいのかも知れません(笑)。
ショルティの演奏、元気が出ますねー。昔から好きでよく聴きます。
なるほど「必要悪」。一時期、デッカといえばショルティ、そしてウイーン・フィルが看板でした。ウイーン・フィルはショルティによって芸の幅が広がったのかも知れませんね。
2007.03.11 11:57
Re:mattinaさん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司
ありがとうございます。
相互リンクいたしましょう。
私も、PCは会社で使っている割には、ニガテであります。自分のブログももう少しデザインを工夫したいと思っているのですが、始めてしまったら何日かかるかわからないため、恐くて実行していません(笑)。
フランクフルトで「パルジファル」ですか、それは素晴らしい経験ですね。ヨーロッパのオペラハウスには独特の雰囲気があります。CDや映像で聴くオペラはいいものですが、やはり舞台は格別でございます。
2007.03.11 12:06
Re:mattinaさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
リンクありがとうございます。
毎日更新はスゴイですね。
私はズボラなので毎日更新は難しいですが、長く楽しく続けていきたいと思います。お互いがんばりましょう!
2007.03.12 22:15
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