忍者ブログ

カサドシュのモーツァルト「ピアノ協奏曲第26番」

2007.03.16 - モーツァルト
カサドシュ

モーツアルトピアノ協奏曲第26番 ロベール・カサドシュ(Pf)ジョージ・セル指揮コロンビア交響楽団


3月15日は「勝手にピアノ協奏曲」の日ということで数日前から気にかけていたのだが、当日の退社後軽く一杯のつもりが泥沼化。よくあるパターンではあるが、かなり痛烈に翌日持ち越すことになり、午前中は廃人同様のテイタラク。いかんいかんと思いつつも同じ過ちを繰り返す我がジンセイなのであり、あまりの繰り返しように落ち込むというより開き直るしかないのであった。

今年は暖冬だという天気予報の通り、先週までは暖かい日が続いていたので、コートを脱いで背広で通勤していたが、今週に入ったら寒い寒い。かといってまたコートを着るようなフレキシブルな性格ではないので、背広のまま通勤続行。昨晩なぞは、寒いわ気持ち悪いわ眠いわの三重苦にうめく帰り道であった。


さてモーツァルトのコンチェルト。カサドシュのピアノ、セル指揮コロンビア交響楽団の演奏。
このコンビの演奏では「17番」が最高だと思うのだが、あいにくそのLPは実家に埋もれているので、次候補と考えている「26番」を聴いてみる。
カサドシュのピアノの音はとても独特だ。ミケランジェリやリヒテルとは全然違うし、ハスキルやグールドとも違う。強いて言えば、カーゾンに似ているかもしれない。ちょっとくぐもっていて、ひとつひとつが丸く、ときどきキラリと柔らかな光を発する音色である。
これは録音のせいもあってのことだと思うが、実演ではどうだったのだろう。彼は来日したのだろうか。とはいっても彼が逝去したのは1972年だから、もし来日していたとしても間に合わなかったな。

彼は、セルとモーツァルトのコンチェルトをいくつか残しているが、どれも素晴らしい出来栄えなのはセルの手腕によるところ大である。セルのモーツァルトは、筋肉質で精巧、そのうえに暖かいぬくもりを感じさせるもので、どれを聴いても楽しい。セルが指揮するロマン派の音楽は、時に、色彩感の不足や、堅さを感じることが時折あるのだが、モーツァルトについてはほぼ満足である。
その中でも、シンフォニーよりはコンチェルト。ことにカサドシュと共演したものはピアノの魅力もさることながら、セルのドライブするオケの冴えわたる技を見せ付けられる。
26番は両端楽章のイキの良さはモーツァルトを聴く楽しみそのものだ。カサドシュの芯はあるけれども柔らかいピアノの響きと、セルの推進力のあるサポートが絶妙。
天空を駆けるような軽やかな音楽である。

このCDに記載されている「コロンビア交響楽団」の実体はクリーヴランド管弦楽団であるという説が強い。レコード会社との契約の問題でこのような表記になったらしい。隙のないアンサンブルと筋肉質の響きを聴けば、これはクリーヴランドと考えていいのではないかと思う。
PR
   Comment(2)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

無題 - miwaplan

こんにちは。ご参加ありがとうございます。

カザドシュといえば、彼は作曲もしたそうで、2曲の交響曲があるみたいです。う~ん、聴いてみたい気もするなぁ。

次回は4月1日「ラフマニノフ」がテーマです。
またご縁がありましたら、ぜひどうぞ<m(__)m>
2007.03.16 Fri 23:16 URL [ Edit ]

Re:miwaplanさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

今回のテーマは「ピアノ協奏曲」ということでいろいろ選択肢はありましたが、まっとうなところに落ち着いてしまいました。
カサドシュが作曲をしていたのは知りませんでした。この時代のヒトは芸の幅が広いのに驚きます。
次回「ラフマニノフ」も楽しみにしております。
2007.03.16 23:26

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます

カサドゥシュ・セルのモツアルト、私も愛聴盤の一つです。LPは持っていたのか、良く覚えていません(爆)。でも、CDは持っていまして、3枚組で、モツアルトのピアノコンチェルトの録音のすべてが入っています。

確かに、カサドゥシュのピアノの音は特別ですね、上手く表現できないのですが。セルの伴奏も良いですね。ゼルキン師とは別の趣がありますね

ミ(`w´彡)
2007.03.17 Sat 03:03 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

このコンビのモーツァルトのCDはまだ全部もっていないので是非そろえたいところです。もう少し録音してくれたらなあというのは今では叶わぬ願いです。
この頃のコロンビアというかCBSは、モーツァルトのソリストではカサドゥシュ、ゼルキン、指揮者ではセルとオーマンディという理想的な演奏者が顔を並べていましたね。
2007.03.17 10:31
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
4 5 6 7 8 9
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー