ショルティ指揮シカゴ交響楽団の演奏で、マーラーの交響曲6番を再び聴きました(1970年3-4月、シカゴ、メディナ・テンプルでの録音)。
これは、ショルティがトンガっていた時代の、私見ではおそらく最後期のもの。シカゴ響の音楽監督に就任して以降、彼はだんだんと柔らかいスタイルへと変えていきます。
それでも、70年代から80年代において、だいたい同世代のカラヤンやジュリーニ、クーベリック、バーンスタインに比べたら鋭角的だったと言えましょう。でも、ショルティが50年代から60年代にかけて録音した、イスラエル・フィルとの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」やチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」、あるいはロンドン交響楽団とのバルトーク「管弦楽のための協奏曲」には、後年のシカゴ時代とは異なる、暴力的と言っていいような切っ先の鋭さを感じます。
それに比べたら、70年以降は比較的マイルドになったのではなかろうか。
話を戻すと、このマーラーは活発にして剛直だったショルティの資質が曇りなく顕在化した演奏のひとつだと思います。
一気にテンションがあがる、冒頭の弦の激しいアタック。皮が破れるのじゃないか、と思うほど徹底的に叩かれるティンパニ。弦が切れそうなハープ。容赦なく3回ぶちかまされるハンマー。
ビールが不味いわけがない。
ショルティ嫌いの方は眉をひそめていそうだけど(苦笑)。
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