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ベルリオーズ「幻想交響曲」

2006.05.13 - ベルリオーズ
小生は昔、ベルリオーズに惹かれていました。

波乱万丈の人生に。
斬新な音楽に。

そして、髪型に。



気に入ったあまり、真似したこともありますが…。
忘れたい思い出です。

イカス髪型といえば、昔から西のベルリオーズ、東の村山塊多と
いわれたものです。

小生だけですが。

それほど、気に入っておりました…。


さて今回はベルリオーズの「幻想交響曲」の聴き比べです。
拙メルマガに書いたものを少しモディファイして…。



第1楽章 【夢と情熱】
恋人への想いを夢見ながら情熱にかられる主人公の心理描写。

第2楽章 【舞踏会】
主人公は、舞踏会で愛人の姿を垣間見る。

第3楽章 【野の風景】
恋人の幻を夢の中の野原で見出し、再び深い孤独に陥る主人公。

第4楽章 【断頭台への行進】
夢の中で恋人を殺めた主人公が、ギロチンにかけられる姿を描く。
賑やかな行進曲の後、主人公の首が飛んで賑やかに終わる。

第5楽章 【ワルプルギスの夜の夢】
地獄で魔女や魑魅魍魎がお祭り騒ぎをする。
魔界の宴とレクイエム「怒りの日」が一体化し、騒乱の内に終わる。



私見では、聴きどころは3つ。
第2楽章のハープの音。
第3楽章の雷鳴のシーン。
第5楽章のフィナーレ。

実に音響的な観点からのポイントですが…。

ハープの音が素敵なのは、ハイティンク/ウイーン・フィル。
甘くて色っぽく魅了される。全体的に第2楽章が優れている。
マゼールとクリーヴランド管とのものは、この楽章でコルネット
を使用しており、これが幻想的な効果をあげています。
CBS盤とテラーク盤とでは、録音時期が近いせいか、
非常に似かよった演奏です。

第3楽章は、シュールな感覚のケーゲルがいい。

第5楽章はクリュイタンスとミュンシュの独壇場。
ほんの少しの理性を残しつつ、情念の赴くままに爆裂!
クリュイタンスのはパリ音楽院管との日本公演の
ライブで、オケに傷はあるものの、それを補ってあまりある
気品と迫力を併せ持っています。
カラヤンやショルティは、オケは相変わらずパワフルですが、
いまひとつ、狂気を感じられない気がします。

全曲を通したところでは、やはりクリュイタンスとミュンシュ、
そしてケーゲルとムーティあたりがいいです。
ケーゲルのは、一貫して冷めた狂気を感じさせます。全曲が葬送行進曲
の様相を帯びていて異様な雰囲気があります。
ムーティ盤のはとても贅沢な音。めくるめく色彩感に彩られた悪夢
を見られます。
叶姉妹よりゴージャスかも知れません…。


お勧め:

クリュ
クリュイタンス/パリ音楽院管


ミュ
ミュンシュ/ボストン饗(62年)


ケーゲル/ドレスデン・フィル


ムーティ/フィラデルフィア管

 ※世評高いミュンシュ/パリ管はどうもピンとこないのです。

他にもマルケヴィッチ、マルティノン、C・デイヴィス、
小澤、アバド、バレンボイムなど多数の録音がありますが、
どれも一長一短で、これぞという決定盤がないように思います。

だいぶ昔、78年に小澤/ボストンの来日公演をテレビ放映
していましたが、これは相当よかった…。
CD化は今のところなさそうですね。
彼のスタジオ録音はいまひとつです。

あとはクリュイタンスがパリ音楽院管を振った、音質のいいライブ録音…
なんてあれば是非聴きたい!


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