小生は昔、ベルリオーズに惹かれていました。
波乱万丈の人生に。
斬新な音楽に。
そして、髪型に。
気に入ったあまり、真似したこともありますが…。
忘れたい思い出です。
イカス髪型といえば、昔から西のベルリオーズ、東の村山塊多と
いわれたものです。
小生だけですが。
それほど、気に入っておりました…。
さて今回はベルリオーズの「幻想交響曲」の聴き比べです。
拙メルマガに書いたものを少しモディファイして…。
第1楽章 【夢と情熱】
恋人への想いを夢見ながら情熱にかられる主人公の心理描写。
第2楽章 【舞踏会】
主人公は、舞踏会で愛人の姿を垣間見る。
第3楽章 【野の風景】
恋人の幻を夢の中の野原で見出し、再び深い孤独に陥る主人公。
第4楽章 【断頭台への行進】
夢の中で恋人を殺めた主人公が、ギロチンにかけられる姿を描く。
賑やかな行進曲の後、主人公の首が飛んで賑やかに終わる。
第5楽章 【ワルプルギスの夜の夢】
地獄で魔女や魑魅魍魎がお祭り騒ぎをする。
魔界の宴とレクイエム「怒りの日」が一体化し、騒乱の内に終わる。
私見では、聴きどころは3つ。
第2楽章のハープの音。
第3楽章の雷鳴のシーン。
第5楽章のフィナーレ。
実に音響的な観点からのポイントですが…。
ハープの音が素敵なのは、ハイティンク/ウイーン・フィル。
甘くて色っぽく魅了される。全体的に第2楽章が優れている。
マゼールとクリーヴランド管とのものは、この楽章でコルネット
を使用しており、これが幻想的な効果をあげています。
CBS盤とテラーク盤とでは、録音時期が近いせいか、
非常に似かよった演奏です。
第3楽章は、シュールな感覚のケーゲルがいい。
第5楽章はクリュイタンスとミュンシュの独壇場。
ほんの少しの理性を残しつつ、情念の赴くままに爆裂!
クリュイタンスのはパリ音楽院管との日本公演の
ライブで、オケに傷はあるものの、それを補ってあまりある
気品と迫力を併せ持っています。
カラヤンやショルティは、オケは相変わらずパワフルですが、
いまひとつ、狂気を感じられない気がします。
全曲を通したところでは、やはりクリュイタンスとミュンシュ、
そしてケーゲルとムーティあたりがいいです。
ケーゲルのは、一貫して冷めた狂気を感じさせます。全曲が葬送行進曲
の様相を帯びていて異様な雰囲気があります。
ムーティ盤のはとても贅沢な音。めくるめく色彩感に彩られた悪夢
を見られます。
叶姉妹よりゴージャスかも知れません…。
お勧め:
クリュイタンス/パリ音楽院管ミュンシュ/ボストン饗(62年)ケーゲル/ドレスデン・フィルムーティ/フィラデルフィア管 ※世評高いミュンシュ/パリ管はどうもピンとこないのです。
他にもマルケヴィッチ、マルティノン、C・デイヴィス、
小澤、アバド、バレンボイムなど多数の録音がありますが、
どれも一長一短で、これぞという決定盤がないように思います。
だいぶ昔、78年に小澤/ボストンの来日公演をテレビ放映
していましたが、これは相当よかった…。
CD化は今のところなさそうですね。
彼のスタジオ録音はいまひとつです。
あとはクリュイタンスがパリ音楽院管を振った、音質のいいライブ録音…
なんてあれば是非聴きたい!
★人気音楽blogランキング!★クラシック音楽ブログ集★にほんブログ村 クラシックブログPR