ブルックナー交響曲第8番 シャイー指揮コンセルトヘボウ管弦楽団一昨日のこと。久しぶりに夜更かしをしてA級順位戦の模様を観た。
テレビをつけたときは、丸山-久保戦以外の対局は終了していた。目当てだったのは、まさにこの対局だった。
開始前の降級候補は、1勝の高橋九段と丸山九段、そして2勝の久保二冠。
高橋九段は、この日谷川九段を破ったので、あとは順位の関係で丸山が勝てば残留が決まる。
一方、丸山九段は高橋九段が勝利した瞬間に降級が決まっていた。だから、久保はここで勝つことができれば残留が決まるという状況だった。
高橋の勝敗をおそらく知らないであろう丸山の真剣な対局姿が、せつなくて涙が出そうになった。
大盤解説をしていた森内名人の表情が神妙だったことも感慨深い。
この将棋は結局丸山が勝ったので、この両者はともに降級することになった。
ちなみに、丸山は前回の竜王戦挑戦者であり、久保は棋王・王将の2タイトルを持っている。それにしても、この強いふたりが降級してしまう
A級とはなんという世界か!
今日は、シャイーのブルックナー。この指揮者のブルックナーはなかなか評判がよいようなので、ど真ん中ストレートで8番を聴いてみることにした。
思えば、イタリア系の指揮者がブルックナーを振るのは、意外に珍しいことではないようだ。
ジュリーニは何曲かいれているし、ムーティとアバド、シノーポリは少しやっているし、パーテルノストロは全集を作っている。
このシャイーも80年代から90年代にかけて全曲の収録を完成させている。ちなみにワタシはその最初の録音である7番を聴いている(これはベルリン放送響とのもの)。で、今日は最後の収録である8番を聴いたので、オセロ・ゲームならば全て聴いたことになる(わけはない)。
演奏は、なんというか実直。ストレート中心の配球になっている。金管楽器が咆哮する場面では木管がフワッと聴こえて、音の強さのバランスがいい。このあたり、基本的なコンセプトは7番と変わっていないように思える。適度な重みのある、すっきりとしたブルックナー。
シャイーの真面目な人柄がそのまま反映されているかのようだ。
1999年5月、アムステルダム・コンセルトヘボウでの録音。
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