ブルックナー 交響曲第7番 リッカルド・シャイー指揮ベルリン放送交響楽団1980年代にシャイーがベルリン放送饗の指揮者だったときは、NHK-FM放送に登場する回数が№1だったのじゃないだろうか。季節ごとにシャイー(というかベルリン放送饗)の特集があったものだが、それらはみんないい演奏だったし、さんざんエアチェックしたものだ。チャイコフスキーの5番やラローチャとのベートーヴェンのコンチェルト、それからグノーの「ファウスト」からのバレエ音楽なんていうところは、今でもカセットテープを取り出して数年置きに聴きかえしている。ホントにお世話になった。CDなんか買わなくても、シャイーの出るFMがあれば音楽生活は充実していた。貧乏学生だった私にとっては、オアシスのような存在だったな、彼は。
当録音は1984年のもの、つまり、指揮者のシャイーが31歳になるかならないかの頃である。
当時は血気盛んな年頃であり、かつイタリア人であるにも関わらず、妙に落ち着いた演奏。
変人多きクラシック音楽界のなかにあって、ひときわマジメ人間の誉れ高いシャイーの、フシギにナイーブな演奏である。
ベルリン放送饗の音色がほれぼれとするほど美しい。デッカの自然な録音と相俟って、ピカピカに磨き上げられた宝石のごとく艶やかな音である。
テンポも強弱も実に普通っぽく、アクがほとんどない無垢な演奏ともいえる。
だいたいブルックナーは野人であり、それを演奏する指揮者はクナッパーツブッシュを始め、フルトヴェングラー、シューリヒト、マタチッチ、チェリビダッケ、ヨッフム、インバルと、とてもゴツくてクセのある面々が連なっていて、このシャイーをそういうところにぶちこむにはあまりにも繊細であり弱々しい感じがするのであるが、それがある意味独特の風味を醸し出す個性になっている。こんなに淡くて清涼感のあるブルックナーは珍しい。こういうデリカシーもたまにはいいのじゃないかと、納得して聴き入ってしまいました。PR
無題 - Niklaus Vogel
Re:Niklaus Vogelさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
「アレクサンドル・ネフスキー」、ありましたネ! 怒涛の迫力でした。合唱物では「カルミナブラーナ」なんかも良かったという記憶があります。
今思えばこのコンビはとても相性がよいというか、この頃のシャイーは覇気があってよかったものです。かといって今が悪いというわけではありませんが。
シャイーとシカゴ響ですかー、考えもつかなかったです。でもいいかも知れません。少なくともバレンボイムよりは合いそうです。
2007.02.21 12:22
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