ブラームス チェロ・ソナタ1~2番 ロストロポーヴィチ(Vc) ゼルキン(P)「ぼのぼの26巻」を読了。近くの本屋を3件回っても入手できなかったので、アマゾンに注文した。
このシリーズも長いけど、哲学的余韻のフシギな味わいは相変わらず。初期と比べて多少絵が荒れてきたような気がするが、それは逆に自由度が増してきたとも解釈できるような気がするが、どっちだろう。
チェロソナタの2番は、ブラームスが時折みせるヤケクソ気味な明るさのある曲だ。
いつも渋面をしているひとが無理やり笑っているような感じ。特に第1楽章がそうで、精神が分裂しているような、落ち着きのない不思議な明るさに彩られている。
第2楽章はいつものしかめ面のブラームスだが、途中に登場するロストロのピチカートがすごい。松脂が飛んでくるようなイキのよさがあり、眼前で弦がふるえているようなリアルな音を出している。
第3楽章も、暗い落ち着きのなさに支配されている。チェロとピアノとが火花を散らせる。ふたりの横綱によるがっぷり四つの大相撲だ。
終楽章はロストロの力強い技巧と、ゼルキンの包容力の大きさに圧倒される。精力絶倫ぶりに、軽く引いてしまうな。
時にロストロ55歳、ゼルキン79歳。
こういう大人には、なりたくてもなれないだろうな。
巨匠ふたりによる演奏は、音の重厚さもそうだが深い年輪を感じないではいられないふところの深さがある。
ゼルキンはサポート役に徹している。ロストロの強い音に対抗しえるピアノを弾けるヒトは、そうそういるわけではないだろう。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
確かにブラームスの室内楽曲には、彼の独特の個性というか匂いを強く感じます。なので、普段はあまり聴かないのですが、ときどき思い出したように聴きたくなることがあります。
このブラームスのチェロソナタについては、まず演奏者ありきで購入したようなものです。
ロストロとゼルキンでなければ、この曲まだ聴いたことがなかったかも知れません。
まあ、このふたりはすごいですねえ、改めて感じました。
2007.11.24 10:45
この記事へのトラックバック
TrackBackURL
→