オーマンディ フィラデルフィア管弦楽団 20世紀の音楽田原総一朗、堀江貴文、勝間和代の「突破力」を読む。
「朝まで生テレビ」の鼎談版みたいな構成。田原がふたりをむりやり煽ろうとする。
でも比較的若くて冷静なふたりは、それに乗らず、自説を延々と語る。というより、自慢話のオンパレードだ。
なかでは、食料自給率の話は面白い。農水省が数字だけを問題にとするのはちゃんちゃらおかしくて、実情は農耕機械でつかっている燃料やビニールハウス、化学飼料はそもそも輸入品だと。そんなことに拘泥するよりも、海外に日本の農業技術を展開して、例えばトヨタの自動車のように逆輸入すればいいという。
ホリエモンは言い方は粗雑なところはあるものの、実はいい奴なんじゃないかと思わされる。
オーマンディの「オケコン」がLPで発売された少しあと、ショルティ(CSO)とドラティ(ACO)と聴き比べたことがある。
オーケストラのうまさはどれも甲乙つけがたかったが、切れ味のよさでショルティ、重量感でドラティに軍配をあげたものだった。
いま、改めてCDで聴いてみると、なんて精緻な演奏なのだろうと目から鱗だ。冒頭の弦楽からして、呼吸がたっぷりと深くて緻密。
いたずらにダイナミックを強調せず、じっくりゆったり楽器を鳴らせている。おおらかで、明るい。
聴きどころは全曲に渡って満載。不明瞭なところは見当たらず、全楽器がのびのびと黄金の音色を奏でている。ときには哀愁に満ちて、ときには高貴に鳴り響く。
ラストは音響の大洪水になっているが、無理に煽るわけではなく自然に盛り上がる。
ショルティやドラティと並んで、これからもずっと聴いていくことになるだろう録音である。
1979年の録音。
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