ドビュッシー「海」/ジュリーニ指揮ロスアンゼルス・フィル昨晩は顧客との食事会に招待され池袋へ。相手は日本人1名、中国人2名。社長が中国人なので中国料理かと思いきや、和風の小料理屋であった。季節の刺身や若竹煮、アイナメのから揚げがおいしく、舌鼓を打つ。
話題は、今後の仕事の方針の話がメインであったが、終始現場の話。事件は会議室ではなく現場で起こる、という名言(?)もあることだし、そういうやり方もアリだろう。
経営者になっても現場が好きなヒトはいるもので、親身になってくれるときもあれば、余計なことを言ってかえって混乱させることもあるもので、それを愛嬌と言えるのならば穏便な現象といえるだろう。会社の組織というものは大なり小なり同じ問題を抱えているものだとつくづく思う。
そして翌朝は恒例の宿酔い。個人的には、この問題を最優先で解決しなければならないナ。
ジュリーニのレパートリーは決して多いとはいえないかも知れない。どちらかと言えば気に入った曲を何度も納得のゆくまで演奏する類の演奏家だと思う。
彼のレコーディング・キャリアをざっくばらんに3つの世代に分けるとすれば、フィルハーモニア管とのEMI時代、シカゴ饗とロサンゼルス・フィルとのDG時代、そしてウイーン・フィルやコンセルトヘボウ管やバイエルン放送饗とのソニー時代、ということになるだろう。
この3つの時代にそれぞれひとつずつスタジオ録音しているものがあるのだが、それが彼の嗜好にあった演目ということになるのではないか。
ドヴォルザークの8、9番の交響曲、ベートーヴェンの8番交響曲、フランクのニ短調、ブラームスの1、2番の交響曲(これはソニーになく、DGに2度)、あたりがそれにあたる。そしてドビュッシーの「海」も。
大きな息遣いのたっぷりとした呼吸感とオケの明るさとの幸せな融合、そしてリズム感の良さという点で、私は彼の指揮活動のピークをシカゴ饗首席客演時代からロサンゼルス・フィルの音楽監督時代とみているのだが、「海」はその時代の彼の芸風がよく出ている演奏だと思う。
全体が溶け合う色調はやや硬質だが、ふっと力を抜いたときの柔らかな弦楽器のニュアンスが絶妙。
欲を言えば、ホルンやトランペットのソロにもう少し味わいがあればいうことがない。
それにしても、このオケのカラッとした明るい響きは、どこの海に思いを寄せているのだろうか。曲想からしてカリフォルニアではない感じ。大西洋かドーバー海峡か地中海か、あるいは日本の海か。PR
無題 - Niklaus Vogel
Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
日本に来て欲しかったですね、このコンビ。来てくれたならば、全公演行ったことでしょう。「女房を質に入れても」というのは、まさにこういうことを指すのではないかと(笑)。
彼がロス・フィルと来たときはなんとか1度だけ行きましたが、全部聴いておけばよかったと、今更ながら思います。
ジュリーニの音楽性は最高ですが、人柄も良かったらしいですね。見た目も立派、ジャケットの写真もカッコイイものが多いです。
2007.03.23 23:29
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
ショルティが音楽監督時代にジュリーニを呼んだという話、聴いたことがあります。それぞれタイプは違うとはいえどちらも魅力的でした。今思えば数多くの録音を残してくれて、ありがたいことです。
ジュリーニの後釜はアバドでしたから、ホントにこの時期のシカゴ饗からは眼が離せませんでした。
私もジュリーニはシカゴ饗とのものが好きです。次はロス・フィルになるでしょうか。シカゴのような機能性にすぐれたオーケストラを振っても、ジュリーニの指揮には温かみがあります。
2007.03.24 16:43
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