オーマンディ フィラデルフィア管弦楽団 20世紀の音楽 野村総一郎の「精神科にできること」を読む。
先週に読んだ「ストレスとうつ」と同様に、精神疾患のなんたるかを知るための入門編としてキッチリまとまっている。異なるのは、本書ではうつ以外に統合失調症やパニック障害などの疾患についても言及していること。それぞれどのようなものなのかが概観できる。
また本書は、文章のリズムがよい。書いてあることは簡単ではないものの、文章の流れが円滑でスムースに読むことができる。
2002年に出版されている本であるが、通電療法や磁気刺激療法にも言及しているあたり、今日でもじゅうぶんに検討するに値する内容なのじゃないかと、素人目にではあるが思った。
オーマンディのショスタコーヴィチ「革命」を聴く。
冒頭から豊満な響きが炸裂するが、この演奏の聴きどころは3楽章だと思う。ふっくらとしていて流れが大きい。イデオロギーなどを感じさせない、たっぷりとした官能がある。ときおり弾かれるハープの音、そしてオーボエのソロがすばらしい。この楽章をこんなに愉しむことができたのは初めてかもしれない。
あと終楽章もなかなか。終結部の導入のところで、もちもちしたティンパニの音が左方から聴こえてくるあたりなど、音響的に面白い。ラストの大太鼓も恰幅がよく、エクスタシーを感じる。
この楽章がヴォルコフが言うような勝利への行進曲なのかどうかの議論なんてどうでもいいことは、この演奏も証明している。
1975年2月、フィラデルフィアでの録音。
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