敬愛するデーブ・スペクターの「いつも心にクールギャグを」を読む。
これは、東日本大震災を機に、日本人を励ますために始めた
ツイッターをまとめた本。
「今夜もアメリカのメディアにスカイプでインタビューを受けています。「ガチでハンパなく日本はチョベリグな国」と英語で言おうとしたけど、とっさに言えませんでした」。
「金髪の業界人しか住めない→パツキンガム宮殿」。
「プロ野球がナイターをやらないというのが賛否両論ですが、僕の故郷のシカゴ・カブスの球場には80年代まで照明設備がありませんでした。仕事や学校さえ何とかなれば平日の昼間に見る野球も悪くないと思います」。
日本を明るくするのは笑顔だ、という信念のもと、一貫してギャグをつぶやき続けている。
「震災後、初めて笑った」、「癒された」、「感動して泣いた」という声が続出し、フォロワーは今現在、499070人。
パールマンのソロで、ヴュータンのヴァイオリン協奏曲4番を聴く。
ライナー・ノーツを書いている三浦淳史によれば、「ヴィルトゥオーソ・ヴァイオリン・コンチェルト」という用語があるらしい。
これはシュポアに始まり、あのパガニーニ、そしてヴィオッティ、フランスではラロ、ドイツではブルッフ、ポーランドにヴィエニャフスキと続く系譜であるとのこと。
このなかにメンデルスゾーンやブラームス、チャイコフスキーが入らないのは、「ヴィルトゥオーソ」ではないからなのか、そのあたりは詳しく書かれていない。
ともかく、今聴いているヴュータンは、ヴィオッティの流れを組む、「フランス=ベルギー楽派」のひとりであり、そのコンチェルトはヴィルトゥオーソに属するものなのである。
パールマンはこの類の音楽を録音することを厭わない、数多くない一流ヴァイオリニストだ。
松脂が飛び散るような劇的な低音から、コクのある中音、輝かしい高音まで、いつも通り鮮やかな弾きぶり。
ヴァイオリンの技巧を最も発揮できるのは、第3楽章だろう。素早い弓と指は1ミリたりとも狂わずに疾走する。高音が軋みを立ててうなりを上げる。
バレンボイムが指揮するパリ管弦楽団はまずまず。というか、もともとがオーケストラはあまり映えない音楽なのだろう。
1976年2月、パリ、サル・ワグラムでの録音。
夕暮れ。
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