リヒテルのピアノ、ミュンシュ指揮ボストン交響楽団の演奏で、ベートーヴェンのピアノ協奏曲1番を聴きました(1960年11月、RC Aスタジオでの録音)。
リヒテルのレコード録音はひどく硬いものが少なくない。彼の剛気な側面を捉えたものではあると思うけど、それだけではない。なので不満を抱いていました。
というのは、1990年くらいに東京文化会館で聴いたリヒテルは、ときにはヒヨコの羽毛のような音を奏でていたから。
かように、ピアノ演奏はオーケストラよりも実演と録音との音色の乖離がしばしば激しいと思うのです。
でも、このディスクにおけるピアノの音はいい。オーケストラよりいくぶん後ろに引っ込んだところや、なにより瑞々しい。わりと、実演に近いものではないかと推察します。
演奏はというと?才気煥発の一言。
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