ムーザ・ルバッキーテのピアノで、フランクの「前奏曲、コラールとフーガ」を聴きました(2008年の録音)。
この曲、リヒテルの来日公演の模様をエアチェックしたものをたまに取り出します。堅牢でスケールが大きく、そして柔らか。聴くとたいていは感銘を受けるけれど、CDは持ち合わせていなかった。
名曲と云われているが、山野楽器の店頭には、案外と多くのヴァリエーションはない。なので、なんとなく目についたこれを入手。
彼女のピアノは、音に深みがあって、おおらか。厚みのある音色は心地よい。フランクはオルガニストでもあったからだろう、ピアノ曲においてもオルガン的な響きを醸成する、といったような声をたまに聞く。なるほど、「コラール」を聴くと、総じて音符が長い。云われてみればそうなのかもしれない。
「フーガ」は技巧的難易度が高いと思われるけど、あっさりと弾き抜ける。重心はやや高め、高音が輝かしい。
全体を通して、爽やかな後味のある演奏であると感じます。
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