ハチャトリアン「ヴァイオリン協奏曲」 パールマン(Vn) メータ指揮イスラエル・フィル堀井憲一郎の「ねじれの国、日本」を読む。建国記念日とは何の日か? という疑問から紐解く日本論。2月11日は神武天皇が即位した日とされているが、この日は旧暦でいう元旦である。そうした事実が実際にあったのかどうかは別として、これを知っている日本人は実はとても少ないし、疑問に持っている人も多くはないのはなぜなんだろう。それは、アンタッチャブルっぽい事項は見て見ぬふりをするもともとの体質に加えて、戦争がからんでますます説明不能になっていくからだよ、というくだりはなかなか腑に落ちるものがある。
後半は敗戦、中国、神道をからめつつ論旨を展開するが、いささか退屈だった。
ハチャトリアンのヴァイオリン協奏曲を久々に聴く。パールマンの演奏は、いつも通り松脂が飛び散るさまが目の前に見えるような、なまなましくもボリュームのあるもの。とりわけ低音の豊満な鳴りっぷりは快感。
誰かに追われているかのようにせわしない冒頭から、一気にハチャトリアンの世界に引き込まれる。イスラエル・フィルの良くも悪くも淡泊な響きは、音楽が進んでゆくについれてどんどん冴えてくる。ホールで聴くようなリアルな雰囲気がたっぷり。録音も虚飾少なく捉えられている感じがする。
1983年の録音。
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