ヌオーヴォ四重奏団の演奏で、ドビュッシーの弦楽四重奏曲を久しぶりに聴きました(1985年4月の録音)。
私にとってドビュッシーはやっかいな作曲家。2,3度聴いただけでは面白くなく、諦めかけたところで突如わかったような気になることが、少なからずあります。
先日に新国で上演された「ペレアスとメリザンド」は、演出が気に入らなかったので途中で退席しましたが、音楽そのものをもっと聴きこんでいたならば、もしかしたらそういうことにはなっていなかったかもしれない。
この四重奏も同様。カップリングのラヴェルはとっつきやすいから、よけいにドビュッシーの晦渋さが際立つような気がしました。
でも、寝床で30回ほど聴いて、ある夜に突然面白くなった。夢見るような情感がたっぷりだし、いっぽうで精悍でもある。機会があったら、生で聴いてみたいと思います。
ヌオーヴォSQ、これらの演奏以外は知りませんが、フランスのこの御大たちに関しては見事な演奏をしているのではないかと感じます。とりわけ、3楽章における細やかさは快感。
30回聴かなければ面白くならない曲。演奏に依るところが多いと思うものの、まれにありますね。どこで諦めるかが難しい。
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