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ブーレーズのスクリャービン「法悦の詩」

2006.11.18 - スクリャービン
ブーレーズ

ブーレーズ指揮NYPO/スクリャービン「法悦の詩」


今日は新宿へ行き、紀伊国屋で少し立ち読み、その後「ダブリナーズ」でギネス・ドラフトとモンゴル風サンドイッチのチキン・シャワルマ。
HMVにて新譜CDの視聴。フルトヴェングラーとフィルハーモニアのコンビでルツェルンでの「第九」ライヴがリマスターされたようで、第2楽章と第4楽章の冒頭をそれぞれ少し聴いたが、すごく音が良い。トランペットとティンパニの音がまるで眼前にあるように生き生きとしていて、これならヘタなステレオ録音よりもずっと上等かもしれない。最新技術でのリマスターでここまでできるのかと思えば、過去のモノラル録音を全部やってくれよ、という感じ。いままで聴いていたのは何だったのかと思う。とはいえ、コストがかかる仕事なのだろう、全部いきなりというのは無茶なのだろうな。
もうひとつはノリントンのマーラー第5。ノン・ヴィヴラートの手法はいつも通りで、冒頭のトランペットがとても乾いて響く。直後のオケの全奏は、ほどよい重量感と明快な分離が感じられる優秀録音。
2枚とも買いたかったが、今はちょっと我慢なのである。

今日はブーレーズとニューヨーク・フィルによるスクリャービンを聴く。
「法悦の詩」は1908年に無調で書かれた音楽ということだが、いわゆる無調らしいサバサバ感はなく、ラフマニノフを思わせるような濃厚なメロディーが終始流れる。
メロディーといっても、はっきりと耳に残るようなものではなく、断片的な、色の濃い旋律がずりずりと続いていく感じ。ぼんやりと聴いているととりとめがない音楽だが、2度目を聴いている今も、まあ、とりとめがない。この録音では、この曲のテーマとなっている性的なエクスタシーを発散しているというよりも、ひとつひとつの音を明瞭に鳴らせることに腐心しているように聴こえなくもない。実にニューヨーク・フィルは良く鳴っている。



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