ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルの演奏で、ショスタコーヴィチ交響曲5番を聴きました(1954年、モスクワでの録音)。
ムラヴィンスキーの5番、聞くところによると、CDとDVD合わせて10数種類あるそう。いくつかには触れたけど、全部集めるパワーはありません。なので、これも人伝ての話になりますが、この1954年録音がもっとも厳しく鋭角的である、ということで、どんなものかと期待に胸を膨らませレコードに針を落としました。
一言で峻厳。音色もフレーズも辛口。
多くの指揮者はこの曲で、ティンパニやシンバルを力強く乱打させて聴き手を煽るけれど、ムラヴィンスキーはそれを抑える。よって、最大の聴きどころはラルゴ。ヴァイオリンの悲痛で鮮烈な響き、作曲家は何を想ってこの旋律を書いたのか、想像に難い。
ただ、1,2楽章に関しては、もっとパワフルなほうが好みかな。
ライナー・ノートは宇野功芳。
これは音楽への愛情に満ち溢れた、一編の良質なエッセイ。
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