カルロス・クライバー指揮 チューリヒ国立劇場管弦楽団昨日の「タモリ倶楽部」は、CDに収録された偶然の音に着目した企画。新聞の番組欄をみたところポップス系のCDを取り上げるのかと思ったら、クラシックだった。フルトヴェングラーの生誕125年と絡めたところ、この番組とのアンマッチ感が面白かったが、内容もよかった。
バイロイトの第九に足音入りというのが昔からあるが、今回のリマスターでさらに音が鮮明になったとのことで、テレビの音でも確かに生々しく再生されていた。あえて足音を入れるのは日本独自だと言っていたけれど、拍手がいいならこれもアリでしょうなあ。
ミケランジェリが演奏する「皇帝」で雷が落ちるところが入っていたり、アクセンフェルトが弾くバッハの「パルティータ」に鳥の声が聴こえたり(これはセッション)、フルヴェンのブラ4でプロペラ機の羽音が響いてきたり。それぞれジャケット写真入りで丁寧に紹介されていた。
そのなかでも、ギーゼキングの「皇帝」(1945年1月24日、ベルリン)は、とくに面白かった。ピアノ・ソロの場面で、高射砲の音がかなり鮮明に聴こえるのだ。1発だけでなく、何発も。解説によると、連合軍の空爆に対するドイツ軍の迎撃ということらしいが、これはちょっとスゴかった。
それにしても、金曜日の深夜番組でエディット・ピヒト・アクセンフェルトの名前をきくとは思わなかったナ。
「ロスト・トゥー・ザ・ワールド」を観てから、クライバーの演奏を聴きたくなった。でも、なにしろソフトが限られているから、新しいものはそうそうない。その中で、チューリヒ劇場でのワルツ・ポルカ集は初めて聴いた。まえからあったのだが、モノラル録音なので乗り気じゃなかった。
聴いてみると、意外に音はいい。ソロはきっちり聴こえるし、臨場感がある。
指揮にはいかにも手慣れた感があって、既にウイーンのニュー・イヤー・コンサートなみの完成度がある。
なかでもポルカ「騎手」は名演。切れ味鋭く弾力たっぷり、ここぞのパンチ力に興奮しないではいられない。クライバーの「アレグロ」のエッセンスが、この小品のなかにびっしり詰まっている感じ。
1枚目に収録されているオッフェンバックのオペレッタは、いまひとつ馴染めていない。もう少し聴いてみよう。
Nicolai: Die liustigen Weiber von
Johann Strauss: Zigeunerbarron
Josef Strauss: Dorfschwalben aus
Joseff Strausse: Feuerfest
Josef Strauss: Spharenklange
Josef Strauss: Jockey-Polka
1966年、チューリヒでのライヴ録音。
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