本村睦幸のリコーダー、ジュゴンボーイズと仲間たちによる、『ナポリのリコーダーコンチェルト』を聴きました(2019年5月、五反田文化センター音楽ホールでの録音)。
この演奏、18世紀の古色蒼然とした世界を牧歌的に描いたものではなく、老廃物を取り去って、切れ味よく明晰な、21世紀のいままさに生まれた音楽のように感じます。
このアルバムには7人の作曲家の作品が取り上げられています。どれも名品だと思いますが、フィオレンツァのコンチェルトを気に入りました。若芽に滴る朝露のようなGrave、疾走する駿馬を思わせるAllegro。端正でありつつ、小気味が良くて気持ちがいい。
リコーダーがチェンバロやヴァイオリンに比べて音がいくぶん引っ込んでいるのは、楽器の性質上、現実的で理にかなったことだと腑に落ちます。また、残響は多すぎないため、各楽器がはっきり聴こえる。録音も優れているように思います。
中丸まどか(ヴァイオリン)
天野寿彦(ヴァイオリン)
佐藤亜紀子(バロックギター&テオルボ)
山本徹(チェロ)
根本卓也(チェンバロ)
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