R・シュトラウス「4つの最後の歌」 ヤノヴィッツ(S) カラヤン指揮ベルリン・フィル日曜の夜から38度の熱が出てダウン。今朝になってようやく熱は下がったけれど、背中から肩にかけて悪寒が残っていたので、大事をとって会社を休んだ。
試用期間の身なので、原則として有給休暇は使えないのだが、仕方がない。金曜日の夜に、たいして暑くもないのにクーラーをつけて寝たのがまずかったのだろう、おかげで翌日から喉が痛かった。それに、なれない職場での緊張が続いたせいもあるのかも。
大藪春彦のハードボイルド小説の主人公ならば、サラミソーセージを丸ごと食らって一晩寝れば元気になるが、虚弱貧困無節操サラリーマンのこちらはそうもゆかず、薬を飲んで水枕をしてただひたすら床に伏していた次第。
昨日に比べると少し元気になってきたので、ゴロゴロしてFMを聴いていたら、吉田秀和の「名曲のたのしみ」が始まった。おおこんな時間に再放送していたとは。ケガの功名か。
ヤノヴィッツの「4つの最後の歌」は、コーホー氏が絶賛していたのを横目にずっと聴いてこなかったが、今回初めて聴いてみたら素晴らしかった。なにしろ透き通った声がいい。高音がとても自然に伸びていって、そして適度な質量があるので安定感がある。ずっと聴いていたい声である。吉田の解説によれば、なかでも第3曲は、最も手の込んだ、複雑な技法を取り入れた作品であるらしい。そういわれてみれば、変化に富んでいるし華やかな音楽であることよ(なんて、ちょっとしらじらしいか)。
カラヤンの指揮するオーケストラは横綱相撲。どこをたたいても揺るぐことのない堅牢さに、血のしたたるビフテキのようなカロリーが満載。
それにしても、この曲はいつ聴いてもあっという間に終わってしまう。冒頭から一気に引き込まれてしまうのだ。落ちてゆくものに弱いからか?
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