リムスキー・コルサコフ「シェエラザード」 小澤征爾指揮シカゴ交響楽団『男の教養』は、福田和也と石丸元章が日本酒を呑みながらトンカツを喰らい、ゴシップネタに華を咲かせるよっぱらい対談。
ヘーゲルの死後にロリコン春画が大量に見つかったとか、五木寛之は頭にのせているものがあるとか、まあそのへんの週刊誌なみに下世話な話のオンパレードだ。
なかではこれが面白い。
「(週刊プレイボーイの)当時の編集長の島地勝彦さんは、童貞を募集して、五月みどりと混浴させるという企画をやってた。全国から1万通の応募ハガキが来たんだけど、東大生を優先して選んだんだって。五月みどりにチンポを握らせておけば、将来裁判官になったときに、人情味のある判決を下すに違いないと。」
いい話である。
小澤がシカゴを振った「シェエラザード」 は、管楽器の冴え渡る妙技がききどころ。1楽章はオーボエ、ファゴットの競いあいが楽しい。
2楽章ではクラリネットとフルートが速いパッセージを気持ちよく吹きこなす。3楽章は、ラスト近くでホルンが燻し銀の光を放っており、毅然とした佇まいがしみじみ感動的。いまだ現役のデイル・クレヴェンジャーによるものだろうか。
小澤の演出は相変わらず淡白であるが、後のボストンとの録音よりこちらのほうが華やか。パンチに欠けるが、飽きのこない味がある。
1969年6-7月、シカゴでの録音。
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