牧阿佐美バレヱ団、東京オーケストラMIRAIによる、チャイコフスキー「くるみ割り人形」公演に足を運びました(2017年12月16日、文京シビックホールにて)。
デヴィッド・ガルフォースの指揮、三谷恭三(プティパ/イワノワ版による)の演出・振付。
東京オーケストラMIRAIの演奏を聴くのは、これで2度目。最初は「白鳥の湖」、とてもいい演奏だったので、事務所にソロ・ヴァイオリニストの名前を尋ねたら、東京交響楽団のコンマスの水谷さんだった。要は、プロの演奏家の集団。チャイコフスキーのバレエ音楽は技術的にも難しいらしいから、そのクラスでないとなかなか太刀打ちできないのかもしれません。
この日も、オーケストラの上手さが光りました。オーボエ、ヴァイオリンを初めてとして、とても安定感のある演奏を聴かせてくれました。
ガルフォースの指揮は柔和。全体を通して、違和感のない強弱とアゴーギクをつけ、踊り手とほぼ完璧に合わせていて気持ちがよかった。彼は英国の出身で、現在ローマ歌劇場バレエ団の客演指揮者を務めているだけの力量を感じさせました。
踊りも総じて素晴らしかった。王子と金平糖の精は毅然としていて清冽。さすがの出来栄え。クララは少女?が担当しており、瑞々しい演技を披露してくれました。各国の踊り手も素敵。とくにトレパークは盛り上がった。
エンディングで、みんなが徐々に勢ぞろいするところは、音楽の上昇も相俟ってとても感動的でした。
演出は極めてオーソドックス。クリスマスの訪れにふさわしいものだったかと。全曲が終わった後に、クリスマスの音楽が演奏されて、ネズミたちが子供にお菓子を配るという粋な采配もありました。
全体を通じて、とても雰囲気のいい公演でした。
金平糖の精:阿部裕恵
王子:清瀧千晴
雪の女王:太田朱音
クララ:大石綾香、ほか
美術:デヴィッド・ウォーカー
照明デザイン:ポール・ピヤント
合唱:なかの児童合唱団
総監督:三谷恭三
パースのビッグムーン。
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