ハンガリー弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲14番を聴きました(1953年10月、パリでの録音)。
ベートーヴェンの弦楽四重奏曲、好みでは4番、ラズモフスキーの2番、それと13番と15番が好きですが、この14番はやはり捨てがたい。7楽章という規模、内容の濃厚さにおいて、他の曲とある意味隔絶した凄さがあります。もちろん、捨てる必要もない。
ハンガリーによる全集も残り3曲となっていて、佳境であります。
相変わらず端正な佇まいは、聴いていて安心するし、ここではときおりヴァイオリンがポルタメントをきかせていて、それがとても効果的、ロマンティックな味わいがあります。
バッハの「マタイ受難曲」もそうなのですが、このくらい高みにある曲においては、あまり演奏を選ばないと思います。よほど自信がなければ演奏するはずはないから。
この演奏も、しみじみ素晴らしい。
ゾルターン・セーケイ(ヴァイオリン)
アレクサンドル・モシュコフスキ(ヴァイオリン)
デーネシュ・コロムサイ(ヴィオラ)
ヴィルモシュ・パロタイ(チェロ)
パースのビッグムーン。
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