大野和士指揮 東京都交響楽団・他の演奏で、ベートーヴェンの交響曲9番の演奏会に足を運びました(2017年12月24日、東京芸術劇場にて)。
とても安定した演奏を聴かせてくれました。
テンポはやや速め。反復は2楽章のみ(たしか)。編成はヴァイオリンが5プルト、コントラバスが8名、ホルンは5名、ストコフスキースタイル。すっきりとしたフォルムのベートーヴェン、それでいてたっぷりとした潤いを感じました。
都響は相変わらずキビキビとしていて、個人技に長けていました。とりわけ、ヴィオラとホルンの存在感が際立っていた。ヴィオラをはじめとして、弦楽器がそれぞれクッキリと浮き立って聴こえたところが面白かった。ホルンのソロは随所に見られますが、ほんのりとヴィブラートを聴かせた柔らかな音色は、あたかも欧米の一流オケを思わせる素晴らしい出来。
合唱は比較的少人数でしたが、とても張りのあるピリリとした声であり、オケとのバランスもいい按配でした。
独唱は、濃厚な色香のあるソプラノと雄渾なテノールが出色。
ラストはかなり速いテンポで押し切り、興奮しました。
全体を通して、指揮は端正であり、かつ弾力に富んだもの。暗譜であることからも手慣れた様子でしたが、強い緊張感を保ってもいました。
彼らによる来年の「白鳥の湖」がますます楽しみになりました。
ソプラノ/林正子
メゾソプラノ/脇園彩
テノール/西村悟
バリトン/大沼徹
合唱/二期会合唱団
パースのビッグムーン。
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