ヤノフスキ指揮南西ドイツ放送交響楽団/ワーグナー管弦楽曲集Ⅰ新年あけましておめでとうございます。
年を経るとともに新年の感慨が薄れてゆきます。サッカーの中継とダラダラのバラエティ番組が正月を感じさせてくれるここ数年です。
今年最初の聴きものはワーグナー。昨年末のバイロイトはロクに聴くことができなかったが、余韻が年を越してじわじわと迫りくる。
タンホイザー序曲の金管楽器の荘厳さは、私を異世界へ連れて行ってくれる。正月の世間は通常とは異なる静けさと寒さと、場所によっては喧騒がある時期であるが、それなりに煩わしいことがたくさんあるものだ。親戚まわりもあるし、酒席もある。そういった実生活的安穏的気配り的気分を、ワーグナーは一時忘れさせてくれる。これが音楽の強い力。
ヤノフスキは「指輪」の録音があるように、ワーグナーの演奏に積極的な指揮者だが、ポーランドの出身なのである。この国の人がワーグナーをやるのに違和感を感じるのだが、そのあたりはどうなのだろうか。
以前にバレンボイムがイスラエル・フィルを振ってワーグナーをやったときは大きな社会問題にまでなった。私は作曲家がどのような思想を持っていても、音楽の演奏にイデオロギーを持ち込まないほうがいいと考えているのだが、ただ西洋の宗教的な考え方の根底にあるものは体感的にわからないのである。
だから、彼らがどういう事情で何を考えているのか、想像するのはほんとうのところは難しいものだ。気候や食い物や言語や着ている服が違うということで、乗り越えることの出来ない圧倒的な境界線があるのだ。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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