ラヴェル「ダフニスとクロエ」組曲 マゼール指揮ウイーン・フィル小宮一慶の「「数字力」養成口座」を読む。
GDP、GDPとよく聞くが、GDPとは国内総生産のことである。
では、「国内総生産」とは何か。正確には、「一定期間内に国内で生み出された付加価値の総額」のことだという。
では、「付加価値」とは何か。ザックリ言うと、「売上高 マイナス 仕入れ」なのである。
当たり前のことかもしれないが、私は知らなかった。
本書は、このような基本の数字をわかりやすく書いてくれている。
雰囲気でわかったつもりになってはいけないナ。
マゼール箱より、ラヴェルを聴く。
この盤には「スペイン狂詩曲」、「ラ・ヴァルス」、「ボレロ」に加えて「ダフニスとクロエ」の組曲が収録されている。「ダフニス」は第1組曲が入っているのが面白いので、この曲を取り上げよう。
「第1」は時間にして11分程度の曲なので、スケールはやや小さいが、神秘的な雰囲気といい、暴力的なまでの激烈さといい「第2」とよく似ている。とりとめのないところが、面白いけれども、一般的ではないのかもしれない。
トランペットのファンファーレから続く終結部の苛烈さは、狂気じみていていい。ウイーン・フィルのまったりとした音色が、ドスを効かせている。
「第2」もしっかり鳴っている。ウイーン・フィルはこういう曲をやると時にしなびたような演奏をすることがあるが、ここではマゼールがガツンと鞭を打っており、迫力のある仕上がりになっている。恣意的な変化もところどころあり、遊び心が旺盛。弦はなかなか艶やかだし、木管も色っぽい。徐々に盛り上がっていき、ラストは重厚に高揚しながら終わる。
1996年6月、ウイーン、ムジークフェライン大ホールでの録音。
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