ミケランジェリ(Pf)グラチス指揮フィルハーモニア管/ラヴェル「ピアノ協奏曲」20年近く前に買ったLDプレイヤーを、CDプレイヤーとして今も使っている。LDを観ていた方ならご存知かも知れない、パイオニアの「CLD-99S」である。
これが最近、調子が悪い。さすがにガタがきたのか。
さっき、オイストラフのモーツァルトを聴こうとしたら、冒頭から針飛び(!?)がおよそ2秒おきに発生し、気が狂いそうになった。とうとうハードが壊れてしまったのかと思って、手近にあったブリームのバッハをかけてみたら、これもダメだった。10秒おきくらいの間隔でやはり音が飛ぶ。暴れそうになったが、どうにか自制し、もう1枚かけてみた。これはなんとか大丈夫だった。ハードではなさそうか?
しかし今日の勝敗はこれまで1勝2敗である。負け越している。ああ心配だ心配。
ボーナスは出たとはいえ少ないし、ついこないだ洗濯機と蛍光灯の傘が壊れて思わぬ出費をしたばかりなので、あと1,2年はもってほしいな。
ミケランジェリのラヴェル。今日1勝したCD。
1957年の録音であるので若干古さを感じるが、ミケランジェリのピアノは絶好調。ピーンと張り詰めたハリと緊張感のあるピアノの音である。音に磨きをかけることに余念がなく迷いもなし。スケールも大きく、ヴィルトゥオーソの風格を感じる。
70年代以降のラディカルで人工的なものに比べると、この頃の演奏には仄かな温かみがある。
オケはエットーレ・グラチス指揮のフィルハーモニア管弦楽団。
グラチス。私はこの録音以外では聴いたことのない指揮者である。調べてみると、1915年に生まれ、1992年に没した北イタリアの指揮者で、ディスコグラフィにはドニゼッティの「ドン・パスクヮーレ」やペルゴレージの「スターバト・マーテル」、メンデルスゾーンの交響曲の録音がある。
どれも聴いたことのない演奏である。
このCDを何度か聴いていて、ほとんどピアノの印象しかなかったのだが、少しボリュームを上げて聴くと、この指揮者がかなりデリカシーを込めて音楽を奏しているのがわかった。その切り口は伴奏に徹しているけれど、手抜きのない、職人の堅実な技を感じるのだ。★音楽blogランキング!★にほんブログ村 クラシックブログ無料メルマガ『究極の娯楽 -古典音楽の毒と薬-』 読者登録フォーム
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