忍者ブログ

"夏休み"、ホープ、メンデルスゾーン"ヴァイオリン協奏曲"

2013.07.20 - メンデルスゾーン

ma





川上弘美の「夏休み」を読む。

これは、夏休みのアルバイトに梨園で働く若者と、3匹の梨の妖精との邂逅を描いた話。
一匹だけ他とは違う行動をとる妖精がいる。とてもおしゃべりだけど気難しい。ある日、若者に振る舞いを咎められた妖精は、家を出て行ってしまう。数日ののちに後悔を引きづりながら帰ってきたときの、懐かしい匂いがとてもいい。夏の匂い。そして妖精の会話が可愛らしく、愛さずにはいられない。

これは、夏休みの儚さを巧みに描いた短編。










ダニエル・ホープのヴァイオリンで、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調を聴く。

ホープは、メンデルスゾーンの師であるカール・フリードリヒ・ツェルターの末裔であるとのこと。だからというわけであろう、これは初稿版による演奏と謳ってある。こだわりを感じないわけにはいかない。そのとおり、随所で聴きなれないフレーズが現れる。最初に聴いたときは、なんてラディカルな演奏なんだと思ったが、版が違うのであれば納得。大筋は同じものの、細部が異なるテイストは、シューマンのシンフォニーと似ているかもしれない。

ホープのヴァイオリンはとても情熱的。音は太めでしっかりしていて、安定感がある。どの楽章も聴きごたえがあるが、ことに終楽章のラストの追い込みは素晴らしく、版の違いを度外視してもトップクラスの出来じゃないかと思う。
ヘンゲルブロックのオケは、ピリオド風で、せかせかしているぶん推進力が強い。こちらもユニークな演奏だ。


ヘンゲルブロック指揮ヨーロッパ室内管弦楽団





2007年6月、グラーツでの録音。












PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
4 5 6 7 8 9
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー