野本陽代の「ここまで見えた宇宙の神秘」を読む。見る。
これは、ハッブル宇宙望遠鏡やすばる望遠鏡がとらえた写真が満載の図鑑。
オリオン星雲が1500光年、毒グモ星雲が17万光年、楕円銀河NGC4261が1億光年といわれても、壮大すぎてピンとこない。今写真で見ている毒グモは、17万年前のものなのだなあ、と薄ぼんやり思うのみだ。
面白い記述がある。宇宙の果てから私たちに手紙を送るときのこれは住所。
「大宇宙、おとめ座超銀河団、局所銀河群、天の川銀河、オリオン腕、太陽系、地球、日本国」
スケールの大きさにタジタジだ。日常の悩みはこれを読むと、一瞬ふっとぶ。
最後に記載された、太陽系の惑星の写真も素晴らしい。身近なようでいて、実はあまりわかっていないようだ。夢がある。
サン・サーンスのピアノ三重奏曲1番を聴く。
これは、彼が1863年に作曲した作品。甘いメロディーがとっつきやすく、すぐに引き込まれる。4楽章からなり、この演奏ではおよそ28分をかけているから、なかなかの大作だ。1楽章が特に気に入った。
誰かが、サン・サーンスの良さは3番シンフォニーや「サムソンとデリラ」ではなく室内楽に最も発揮される、というようなことを言っていたのを思い出す。そのなかで、私はトランペットが輝かしい7重奏曲や「動物の謝肉祭」、オーボエ・ソナタ、そしてこの曲くらいしか聴いていないが、確かにどれも素晴らしい。もっと、他の曲を聴くべきだろう。もったいない。
ナッシュ・アンサンブルは1964年に結成されたイギリスの団体。ここではそのなかの3名のメンバーが弾いている。明るくて洒脱な音楽を、丁寧に雰囲気よく演奏している。
イアン・ブラウン(ピアノ)
マーシャ・クレイフォード(ヴァイオリン)
クリストファー・ファン・ケンペン(チェロ)
1988年3月、オール・セインツ教会での録音。
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