R・D・ウィングフィールド(芹澤恵訳)の「冬のフロスト」を読む。
待ちに待った、フロスト・シリーズの最新作。
立て続けに起こる少女の行方不明事件、容疑者の自殺、売春婦の連続殺人事件、スーパーを襲った強盗団、酔っ払いのフーリガン、怪盗枕カヴァー。
事件は次から次へと起こるが、デントン署は人手不足で空前のてんやわんや。寝る間も惜しんでの捜査は空振りばかり、さすがのフロストもいったんは諦めかけるが。。
鉄火場のなかでのお下劣なジョークは健在。そして、ラストの100ページは怒涛の展開。手に汗を握る。
ろくでもない部下のモーガン、そしていつもの風見鶏のマレットがいい味を出している。
このシリーズ、安定して面白い。というか、現代の刑事小説では最高峰なのじゃないだろうか。
アバド指揮ベルリン・フィルの演奏で、マーラーの交響曲第6番を聴く。
アバドのマーラーは総じていいが、終楽章に焦点を当てて構成する手法が多いように思う。ベルリンとの9番しかり、シカゴとベルリンの5番しかり。
この演奏は、冒頭からなかなか気合いが入っており、全曲を通して安定している。アタックの弱いところや、上品すぎるところはいかにもアバドであるが、バランスはいい。ヴァイオリンを中心にとてもデリケート、ただし副声部がおざなりなところは、いかにもといった感じ。このへんはカラヤン風? あるいはベルリン気質?
ハンマーは恒例通り2回鳴らされる。金属的でシャープな音。素晴らしい。やはり、ここに頂点を持ってきている。
アンダンテは、2楽章に配置されている。
2004年6月、ベルリン、フィルハーモニーでの録音。
ユーカリ。
PR