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ブーレーズのマーラー「交響曲第2番"復活"」

2008.03.23 - マーラー


mahler

マーラー 「復活」 ブーレーズ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団・合唱団  ダムラウ(S) ラング(A)

せっかくパ・リーグが開幕したというのに、水を差すような巨人と阪神のメジャー交流練習試合。
緊張感のあるペナントに比べ、どうでもいい試合のダラけた内容。
ハリー・モッターもカンカンだ。
しまいには、身内の上原投手や、松坂投手にまで「?」を付けられる始末。
自ら選手のメジャー流出を奨励しているかのような読売新聞、大丈夫なのか。
それにしても、パシフィック・リーグの試合は、ウチの地上波だとこの3連戦、埼玉テレビの西武戦しか放送していない。
プロ野球離れが進んでいるのか、もしくはそういうものはマニアックな分類にされて、衛星で観ろということなのかな。
わかるような気はするが、少々寂しいものだ。


ブーレーズがベルリン・シュターツカペレを指揮したこの映像は、ウイーン・フィルとのスタジオ録音のわずか2ヶ月前のものらしい。
オケも歌手も違うし、こちらはライヴであるから、それぞれの比較は面白いかもしれないが、ウイーン盤は未聴であるのでなんとも言えない。
ブーレーズがDGに録音したマーラーは、5番と6番しか聴いていないけれど、どちらもピンとこなかったので、それきりブーレーズのシリーズを聴くのをやめてしまった。
この「復活」は、スカパーでたまたまやっていたので、観てみた次第である。
ブーレーズの演奏では、70年代までの刺々しい切れ味のある演奏を好んでいるので、あまり期待しないで観始めたが、やはり80年代以降の「丸い」ブーレーズである。
相変わらずリズム感はよいけれど、とても冷静沈着な演奏である。昔のブーレーズは冷静沈着でありながら暗い情熱を感じるというか、抜き身の刃のようなただならぬ緊張感があったが、この演奏では、酸いも甘いも知り尽くした穏便さがある。
これは、オーケストラの効果でもあるだろう。個々の楽器は最高のテクニックを披露しているわけではないけれども、安心して聴いていられる暖かさと安定感がある。
暖かさを保ちながら、全体の合奏は恐ろしく精度が高い。「復活」のような大編成の曲で、ここまでアンサンブルを仕上げる手腕は並大抵ではないだろう。ブーレーズなら当たり前か。
終楽章までは、テンポの変化はほとんどなく、淡々と進む。第2楽章のチェロや、第4楽章のオーボエがとても朗々と歌っているのが印象的。全体的にはハープがポロンポロンと実によく鳴っていて、絶妙なスパイスになっている。
終楽章の合唱のラスト付近で、ようやくテンポが揺れ動き、大いに盛り上がる。
とはいえ、なにもしなくても盛り上がりそうな曲だから、これだけ精度の高い演奏であれば例外にはならないか。

2005年、ベルリンでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます

ブーレーズのマーラーはまったく聴いていません、爆~ それでもコメントを~

ブーレーズ、もう80歳くらいでしょうか?
バイロイトで物議を醸していた頃、あの頃までが全盛期であったのではないでしょうか?

天才的な作曲家かで、指揮者
バーンスタインとは逆で、作曲家として認められていたが、指揮者としてはもう一つ人気が出なかったですよね。
でも、あのバイロイト 良い演奏であったのではないかなって思うんですよ(テレビとラジオで聴いただけですが、爆~)

何か最近、丸くなってしまっていませんか?
聴衆に阿っていないかなって思ってしまいます。
そんな偉そうなことを言うほど聴いてはいないのですが~。

指揮者がこの頃、元気がないですよね
まぁ、録音もほとんどありませんし、どこのオケもオペラも同じような人ばかり;;

クラシックは本当にクラシックになりそうですね
ヨーロッパでも
その割に、オペラなどは盛んな訳ですが~
トンチンカンなことを書いているかもしれませんが~
日本の面白い指揮者、皆無です;;

ミ(`w´)彡 
2008.03.24 Mon 04:19 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

ブーレーズのマーラーは、これで2,5,6を聴いたわけなのですが、あまりインパクトはありません。
60年代のショルティ、バーンスタインから、80年代のレヴァイン、テンシュテットまでがひとつの演奏の頂点だったような気がします。
時代が広すぎて恐縮です。

ブーレーズは80歳を超えましたかね。若い頃みたいなツッパリはないにしても、オケの縦の線をあわせる技量と根性は今でも健在でした。

シェローと組んだ「指輪」は、私もFMでは聴きました。
当時は「指輪」をようわからず(今でもですが)、いいのか悪いのか判然としませんでしたが、なにはともあれあれが指輪の初体験でした。
最近、あのときの演奏の評価が高いようです。

>指揮者がこの頃、元気がないですよね
同感です。新譜を買う気がしません。

>日本の面白い指揮者、皆無です;;
ちょっと面白いと思うと、欧米のスタイルの二番煎じです;;
2008.03.24 12:39

無題 - bitoku

吉田さん、おはようございます。

ブーレーズの「復活」少し興味がありました。
私も90年以降のブーレーズはマーラー5番と「春の祭典」の2枚で見切りをつけてしまいました。

この映像でもやはり好々爺ブーレーズなんですね。

この人は元々”人間的な温かみ”や”丸み”っていうキャラじゃなかったから、もっとギトギト内面で燃えていてトゲトゲしさのあった70年代が好きですね。

rudolf2006さんのおっしゃる通りバイロイトの頃のブーレーズが全盛期かも知れないと思います。

あれはバイロイトの伝統に真っ向から挑んだブーレーズの意地が感じられました。

演奏も透明感のある見通しの良いワーグナーで好きでした。

ブーレーズの「復活」を期待したですね。


2008.03.24 Mon 06:43 URL [ Edit ]

Re:bitokuさん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

>私も90年以降のブーレーズはマーラー5番と「春の祭典」の2枚で見切りをつけてしまいました。

私も新しい「春の祭典」を聴いたときは、なにか腑に落ちないものがありました。悪くはないけれど、やけにおとなしいのじゃないかと。
それから立て続けに登場したマーラーも、最初は期待していたのですが、あまり気に入りませんでした。これで2,5,6を聴いたのですが、強くオススメするものではありません。

>もっとギトギト内面で燃えていてトゲトゲしさのあった70年代が好きですね。

CBSの録音がよかったですね。トゲトゲしいし、表情も豊かなものでした。それに比べDGでの録音はいただけません。完成度は高いのですが、なにかね…。
バイロイトというと、ブーレーズは80年まででしたか?
最初はブーレーズとワーグナーとの組み合わせに違和感がありましたが、いまやすっかり古典になりました。
2008.03.24 12:49
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