マーラー 「復活」 ブーレーズ指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団・合唱団 ダムラウ(S) ラング(A)せっかくパ・リーグが開幕したというのに、水を差すような巨人と阪神のメジャー交流練習試合。
緊張感のあるペナントに比べ、どうでもいい試合のダラけた内容。
ハリー・モッターもカンカンだ。
しまいには、身内の上原投手や、松坂投手にまで「?」を付けられる始末。
自ら選手のメジャー流出を奨励しているかのような読売新聞、大丈夫なのか。
それにしても、パシフィック・リーグの試合は、ウチの地上波だとこの3連戦、埼玉テレビの西武戦しか放送していない。
プロ野球離れが進んでいるのか、もしくはそういうものはマニアックな分類にされて、衛星で観ろということなのかな。
わかるような気はするが、少々寂しいものだ。
ブーレーズがベルリン・シュターツカペレを指揮したこの映像は、ウイーン・フィルとのスタジオ録音のわずか2ヶ月前のものらしい。
オケも歌手も違うし、こちらはライヴであるから、それぞれの比較は面白いかもしれないが、ウイーン盤は未聴であるのでなんとも言えない。
ブーレーズがDGに録音したマーラーは、5番と6番しか聴いていないけれど、どちらもピンとこなかったので、それきりブーレーズのシリーズを聴くのをやめてしまった。
この「復活」は、スカパーでたまたまやっていたので、観てみた次第である。
ブーレーズの演奏では、70年代までの刺々しい切れ味のある演奏を好んでいるので、あまり期待しないで観始めたが、やはり80年代以降の「丸い」ブーレーズである。
相変わらずリズム感はよいけれど、とても冷静沈着な演奏である。昔のブーレーズは冷静沈着でありながら暗い情熱を感じるというか、抜き身の刃のようなただならぬ緊張感があったが、この演奏では、酸いも甘いも知り尽くした穏便さがある。
これは、オーケストラの効果でもあるだろう。個々の楽器は最高のテクニックを披露しているわけではないけれども、安心して聴いていられる暖かさと安定感がある。
暖かさを保ちながら、全体の合奏は恐ろしく精度が高い。「復活」のような大編成の曲で、ここまでアンサンブルを仕上げる手腕は並大抵ではないだろう。ブーレーズなら当たり前か。
終楽章までは、テンポの変化はほとんどなく、淡々と進む。第2楽章のチェロや、第4楽章のオーボエがとても朗々と歌っているのが印象的。全体的にはハープがポロンポロンと実によく鳴っていて、絶妙なスパイスになっている。
終楽章の合唱のラスト付近で、ようやくテンポが揺れ動き、大いに盛り上がる。
とはいえ、なにもしなくても盛り上がりそうな曲だから、これだけ精度の高い演奏であれば例外にはならないか。
2005年、ベルリンでの録音。
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