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ポップのシューマン「女の愛と生涯」

2008.03.22 - シューマン


shumann

シューマン 歌曲集 ポップ(S)パーソンズ(Pf)


今日は谷中に墓参り。
桜の花がほんの少し咲いていた。春分が、あと一週間遅かったならば、桜が満開のなかで墓参りになっただろう。
途中、上野公園を歩いて帰ったが、ほとんどの木がまだ蕾なのに、もう宴会をやっている気の早い客がいる。
理由はどうあれ、とりあえず呑めればそれでいいのだろう。
同感である。

詩人のシャミッソーは、1781年に、貴族の血を引いてフランスのシャンパーニュに生まれた。
幼い頃に、フランス革命を逃れてベルリンに移住し、プロシアの将校を経てドイツの詩人として活躍することになる。
詩人として、そして小説家として名を馳せたが、後年に植物学の研究に転向し、最後はベルリンの王立植物園長として生涯を全うした。
「女の愛と生涯」は、伝統的な夫婦愛を描いた詩であるというが、その封建的な考え方は、いかにも19世紀初頭の時代風潮であるといわれているらしい。
けれど、この詩を読んでみると、たしかにひと昔もふた昔も前の日本の風潮にあったものだという感じはあるにせよ、これが19世紀の初頭に書かれたことを思えば、決して古いという気はしない。
いささか封建的な感じはするけれど、それはまあ、時代を考えればそんなものだろうと…。
ひとことで言ってしまえば、ひとりの女が男に恋をして、幸せ一杯の心地で結婚し、やがて子供が生まれて幸福の絶頂にいたと思った矢先に、夫が世を去ってしまう、という話。
それだけならば、話としてはよくあるものだけど、この詩においての女の献身はすごい。
自身の全人生を相方に捧げた過剰に献身的な感情は、今でいえばマゾ的な匂いを感じるものではあるが、時代を超えて、こんなに夫を頼り切ることができる姿勢はすごすぎる。そういった世界を誰が描けるのかというところで、まさにここではシューマンが担当というところ、実にうなづけるのである。
彼以外に、このドラマは手に余ることだろう。
ちなみにクララは、この主人公とは全然違うタイプの女性だったらしい。

ポップの歌は美しく肉感的である上に、適度に夢想的であるところが、この歌の、内に向けたドラマ性を引き立てている。
パーソンズのピアノは脇役に徹しながらも、全体にとても透明な響きを聴かせてくれる。

1980年、バイエルンでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

お墓参りですか お彼岸だったですよね
もう何年もお墓参りは行っていないような
といっても、お墓には誰も入っていないのですが~
お墓と桜、一対になっていませんか?関西では、墓地には必ず桜があります~。

奇遇ですね
私も、このCDを注文していて来るのを待っています、爆~
どうも、嗜好が同じようになってきているのかもしれませんね~。

ポップさんのものが出ていると知って、すぐにカートに入れたんですが、爆~
「美しく肉感的」ですね
届くのが楽しみです (^o^)
私もブログに書きたいと思っています。

ミ(`w´)彡 
2008.03.22 Sat 22:30 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

あと1週間遅ければ、満開の桜の下で墓参りと宴会が一緒にできたのじゃないかと思います。
昨日は暖かかったので、開花が少し早まるかもしれません。

このCD注文されましたか。
お互い趣味がよろしいようです(笑)。
「女の愛と生涯」もいいのですが、後半の歌曲集がまたステキです。動きの多いというか、いろとりどりの花でにぎやかです。
ジェフリー・パーソンズのピアノは、脇役に徹しています。目立だちませんが細かい表情がいきわたっているように思いました。
rudolf2006さんの記事が楽しみです。
2008.03.23 06:05

無題 - ピースうさぎ

こんにちは。
このポップのシューマンは携帯オーディオでずっと聴いていて、いつかブログに書いてみたいと思っておりました。
声に色香があるというのか、ポップの歌声は本当に魅力的です。
2008.03.23 Sun 16:51 URL [ Edit ]

Re:ピースうさぎさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

これを携帯オーディオで聴いてらっしゃるのですか。
サスガです。
確かに、ポップは声に色香がありますね。
オケが伴奏のものとは、ちょっと味わいが違います。
「女の愛と生涯」もいいですが、他の歌曲も聴きごたえがあります。
2008.03.23 21:33
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