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バーンスタインのマーラー「交響曲第3番」

2010.10.30 - マーラー
   
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レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル


成毛眞の「新世代ビジネス、知っておきたい四賢人版マーケティングの心得」を読む。
元マイクロソフト日本法人の社長が、松村劭、唐津一、和田秀樹、安延申と語る、マーケティングの要諦。対談者はみんな成功者だから威勢がいい。成毛の質問に対する解答は、ズバズバと切れ味鋭い。過去にうまくいったアイディアや自慢話を惜しみなく披露する。
こうした話は後だしジャンケンのようなもので、そのへんの酔っ払いオヤジの自慢話と、もしかしたら、そう大差はないのかもしれない。所属が大企業か零細か、そのあたりの違いでしかないような。
それでも、興味深い話はいくつかあって、なかでは、味噌を売るときのエピソードが面白かった。
味噌がなかなか売れないとの相談を受けて、売り場を観察をしに行ったら、あることに気づく。客が一度手に取った味噌を棚にもどすとき、裏面を表にすることがあるのだ。この状態だと、あとからくる客はその商品を手にしない。そこで、表と裏を同じデザインにさせた。ひっくり返しても表が出るようしたわけだ。そうしたら、売上が3割も上がったという。
なるほどである。



シンフォニー・エディションから。今週は少しまとめてマーラーを聴いた。1番の演奏は悪くないが、2番そしてこの3番がさらにいいように感じる。
冒頭のホルンの力強い響きで概ね勝負あり。1楽章を通して、パンチが効いていて実に鮮やか。ときおりヴィブラートを利かせるトランペットや、小太鼓の細かな刻みやクラリネットのトリルなど、小技がまた絶妙な味付けだ。マーラーが想定したであろう、この地球の自然のおおらかさや不思議さといった要素を含みながら、流れを大局的につかみ、さらにディテイルを丁寧に掬い取っている。このあたりの指揮ふりは、全曲中の白眉かもしれない。続く楽章もいい。
2楽章は特に、厳しく追い込んでゆくヴァイオリンのピチカートの緊張感。3楽章は、たった今生まれたような、みずみずしいポストホルンの生命力。4楽章は粘り強いホルンの持続力が圧巻。
5楽章は、女声と児童との混合から成る。気合いの入った女声合唱のコブシは聴きもの。終楽章では、主人公の弦楽器が期待通りによく鳴っている。こころもち堅めの響きが、おおらかに清々しく広がる。ここは小細工なしのど真ん中ストレート勝負。
クールで毅然としたたたずまいのなかから、ほのかな憂愁が立ち上ぼるのだ。


マーサ・リプトン(Ms)
スコラ・カントルム女声合唱団
トランスフィギュレーション教会少年合唱団

1961年4月、ニューヨーク、マンハッタン・センターでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

味噌のパックを裏表同じにしたら、売り上げが上がったというのは、面白いことですね〜。そんな些細なことと思ってしまいますが、意外にそんなところで買う、買わないが決まってしまうのかもしれませんね〜

バーンスタインの旧盤のマーラー 聴きだしておられるのですね〜 3番は始めて聴いたのがバーンスタインの演奏だったので、どうも刷り込みになっているようです〜。このボックス、少しずつ聴いていますが、若い頃のバーンスタインの方が魅力的だと思いますね〜

ヾ(●´‿‿`●)
2010.11.01 Mon 06:37 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

成毛さんのマーケティング話、いかにもというか、ひたすら金を追う姿勢にブレはなく、これはこれで潔いのかもしれません、。
味噌のエピソード、なるほどと思いました。この本によれば、中身よりも見た目。これがマーケティングということと理解しました。いいのか悪いのか…。

バーンスタインの旧盤のマーラー、聴き始めました。4番以降はこれからゆっくり聴いていきたいと思っています。
この3番は素晴らしい。とくに1楽章は絶品です。手練手管と知恵を総動員していて、かつ、理詰めではなくノビノビした趣を醸し出しているところがいいですね。ワタシはバーンスタインをDG時代から聴き始めたのですが、ニューヨークもいいものです。
2010.11.02 22:29

無題 - stbh

吉田さん、こんにちは。

私もこの録音、刷り込みです。高3のときにレコードを買って、受験勉強をしながら聴いていました。合格発表の前に全曲聴いて、とても爽やかで穏やかな気持ちになって向かったのを思い出しました。

DGの録音は風格がありますが、CBSによるNYPの録音は独特なペカペカの音で、若々しさ・爽快感がありますね。
2010.11.13 Sat 20:08 URL [ Edit ]

Re:stbhさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

合格発表の前、それはよい思い出と存じます。
バーンスタインとNYPの演奏は、ハツラツとしていますねえ。DGとの濃厚なマーラーもよいものですが、この3番の若々しさ、捨てがたいものがあります。このコンビ、60年代前半のものがよくに素晴らしいように思います。
2010.11.14 10:37
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