レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル勢古浩爾の「ビジネス書大バカ事典」を読む。
前半は「ビジネス書もどき」に対する厳しい批判を展開する。
苫米地英人、勝間和代、石井裕之、本田健。今をときめく「ビジネス書もどき」の作家たちの本は、いつも「成功」をターゲットに展開するが、そもそも成功とはなんぞや。要するに、金儲けを目指す手引きなのだ。志そのものがどうかと思うし、逆にそれならそれで徹底すればいいのかもしれないが、説の多くは夢のような話ばかりで信憑性が薄すぎる。
後半は、松下幸之助や本田宗一郎、小倉昌男の著作に対する激賞。誉めすぎではないかと思うところもなくはないが、現場を知りつくした大経営者の本は読みたくなる。苫米地や勝間とは一線を画することはよくわかる。
なんだかんだ言って、著者が言いたいことは、このひとことに尽きるのじゃないだろうか。
「くどいようだが、『成功』などどうでもいい。それは結果である。繰り返すが、仕事は全人的な行為である。仕事をやらせるとキレ者なのに、腹の底では女を見下しているような男はダメである。会社では卑劣漢だが、家ではいい夫と父、なんてのもダメである。どこから見ても静かで優しい男なのに、一向にうだつがあがらない。こういう人はいいのである。」
定年直前に退職した元サラリーマンの勢古が放つ渾身の334ページ。彼の優しくも厳しい仕事観が詰まっている。
秋の夜長に、パソコンを睨みつつ少し迷って購入した「バーンスタイン・シンフォニー・エディション」。
CDはLPサイズのボックスに収納してあり、オリジナルではないものの、一枚ずつジャケットが違っていて楽しめる。白黒の写真集がついていて、雰囲気はあたかも昔の見開きLPの風情。このちょっとした贅沢がうれしい。CDを買ってこんなに胸が躍ったのは久しぶりだヨ。
バーンスタインによるシューマンは、いままでウイーン・フィルとの演奏で親しんできた。とくに1,4番は多くの競合盤の中でも上位に入れたいもの。まずは1番をニューヨークとの演奏で初めて聴いてみる。おおこれは。テンポといい表情のつけかたといい、80年代のウイーン盤にあまりにもそっくりでビックリした。
落ち着いた風格にみずみずしい感性がほとばしる。すでにこの曲に対するスタイルが決まっていたようだ。録音については、こちらのほうがこころもち輪郭が柔らかいように思うが、あまり大差はない。
全体的には、ウイーンのほうがややメリハリがキツめで粘っこいか。どちらをとるかはオーケストラの好みだろう。
1960年10月、ニューヨーク、マンハッタン・センターでの録音。
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最近ビジネス書(もしくはビジネス書もどき)をよく読んでいますが、立ち読みで終わってしまうものから1ヶ月かかるものまでいろいろです。この本は、長くサラリーマンとして生きた著者のうら悲しさが漂っているしボリュームもあるのでなかなか読ませます。
勝間女史はどうなのでしょうね〜。
昔、グールドのバッハ全集というLPがあったのですが、ちょうどあのくらいの大きさです。値段と重さはだいぶ違いますけど。
まずシューマンの1番、それからブラームスの1番を聴きました。いい演奏でした。これからマーラーをぼちぼち聴いていこうと思います。