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バーンスタインのシューマン「交響曲第1番"春"」

2010.10.24 - シューマン
   
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レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル


勢古浩爾の「ビジネス書大バカ事典」を読む。
前半は「ビジネス書もどき」に対する厳しい批判を展開する。
苫米地英人、勝間和代、石井裕之、本田健。今をときめく「ビジネス書もどき」の作家たちの本は、いつも「成功」をターゲットに展開するが、そもそも成功とはなんぞや。要するに、金儲けを目指す手引きなのだ。志そのものがどうかと思うし、逆にそれならそれで徹底すればいいのかもしれないが、説の多くは夢のような話ばかりで信憑性が薄すぎる。
後半は、松下幸之助や本田宗一郎、小倉昌男の著作に対する激賞。誉めすぎではないかと思うところもなくはないが、現場を知りつくした大経営者の本は読みたくなる。苫米地や勝間とは一線を画することはよくわかる。
なんだかんだ言って、著者が言いたいことは、このひとことに尽きるのじゃないだろうか。
「くどいようだが、『成功』などどうでもいい。それは結果である。繰り返すが、仕事は全人的な行為である。仕事をやらせるとキレ者なのに、腹の底では女を見下しているような男はダメである。会社では卑劣漢だが、家ではいい夫と父、なんてのもダメである。どこから見ても静かで優しい男なのに、一向にうだつがあがらない。こういう人はいいのである。」
定年直前に退職した元サラリーマンの勢古が放つ渾身の334ページ。彼の優しくも厳しい仕事観が詰まっている。



秋の夜長に、パソコンを睨みつつ少し迷って購入した「バーンスタイン・シンフォニー・エディション」。
CDはLPサイズのボックスに収納してあり、オリジナルではないものの、一枚ずつジャケットが違っていて楽しめる。白黒の写真集がついていて、雰囲気はあたかも昔の見開きLPの風情。このちょっとした贅沢がうれしい。CDを買ってこんなに胸が躍ったのは久しぶりだヨ。


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バーンスタインによるシューマンは、いままでウイーン・フィルとの演奏で親しんできた。とくに1,4番は多くの競合盤の中でも上位に入れたいもの。まずは1番をニューヨークとの演奏で初めて聴いてみる。おおこれは。テンポといい表情のつけかたといい、80年代のウイーン盤にあまりにもそっくりでビックリした。
落ち着いた風格にみずみずしい感性がほとばしる。すでにこの曲に対するスタイルが決まっていたようだ。録音については、こちらのほうがこころもち輪郭が柔らかいように思うが、あまり大差はない。
全体的には、ウイーンのほうがややメリハリがキツめで粘っこいか。どちらをとるかはオーケストラの好みだろう。

1960年10月、ニューヨーク、マンハッタン・センターでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

仕事と生きること、なかなか難しいことですよね、いつもこれで良いのか想いながら仕事をしています。
勝間女史、あまり好きではないので、まともに話しは聞いていません、爆〜。成功者は敗残者に冷たいような気がしますね〜

バーンスタイン・ボックス 買われたんですね、大きさに驚きました。それとこれほど多くの録音を残していたのかと〜。シューマンから聴かれたのですね〜。
私は「新世界」「幻想」などを聴いています〜。

このボックスは聴きごたえがありそうですね〜
ヾ(●´‿‿`●)
2010.10.25 Mon 08:03 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006 さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

最近ビジネス書(もしくはビジネス書もどき)をよく読んでいますが、立ち読みで終わってしまうものから1ヶ月かかるものまでいろいろです。この本は、長くサラリーマンとして生きた著者のうら悲しさが漂っているしボリュームもあるのでなかなか読ませます。
勝間女史はどうなのでしょうね〜。

昔、グールドのバッハ全集というLPがあったのですが、ちょうどあのくらいの大きさです。値段と重さはだいぶ違いますけど。
まずシューマンの1番、それからブラームスの1番を聴きました。いい演奏でした。これからマーラーをぼちぼち聴いていこうと思います。
2010.10.25 12:55

ドホナーニ/クリーブランド - neoros2019

LP時代このバーンスタイン/NYOの春を
愛聴していました。当時カラヤン一辺倒信奉でしたが
1960年収録のバーンスタイン/NYOの春は聴く度に、なるほど
カラヤンのライヴァル足り得る存在であることを意識せざる負えませんでした
バーンスタインの2番の一部映像を見た記憶がありますが、あの難曲を熱っぽく指揮する氏をみて、本能的にシューマンとの相性の良さがあるんだと実感しました。
とりあえず、きょうまたドホナーニ/クリーブランドの3番4番を御茶ノ水DUで拾いました
ドホナーニなので熱演とはいきませんが、かなり豊かな録音で期待を裏切らない美しい演奏になっています
個人的に氏のマーラーに手を付けることは絶対ありませんが、
是非芳野さんもドホナーニのシューマンの方は機会があれば接してみてください。
2017.04.20 Thu 01:41 [ Edit ]

バーンスタインもいいですね。 - 管理人:芳野達司

彼の初レコーディングは、シューマンの2番だったかと記憶します。晩年にも映像を残していますね、それは拝見しました。
後年にはウイーン・フィルとも全集を残していますし、それもいい演奏ですが、好みはニューヨーク・フィルとのものです。覇気があってすばらしいと思います。
ドホナーニはよさそうですね。
機会を作って、聴いてみたいと存じます。
2017.04.20 21:02
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