クラウディオ・アラウ(Pf)三池崇史監督の「十三人の刺客」を観る。ゴローちゃんが極悪非道の殿様を演じるとのことで興味がわいたのだ。
舞台は江戸末期。将軍徳川家慶の弟である明石藩主松平斉韶の暴虐ぶりを見かねた旗本の島田新左衛門が暗殺部隊を編成し、参勤交代途上の斉韶を待ち構え襲撃する、という話。
斉韶の異常性格ぶりを描いた前半がよいものの、後半はやや冗長。新左衛門が仲間を集めるくだりは「七人の侍」の世界だが、ワクワク感はさほどない。ラストの戦争シーンは迫力はじゅうぶんだがやや荒っぽい。
役者では、市村正親と松本幸四郎の存在感が大きかった。演出はともかく、このふたりのために観る価値はある。
この30番はアラウ晩年の作品。全曲で23分かけているから、遅い部類に属する。気になったので、手もとにある他のCDの演奏時間を調べてみる。
グールド 12:55
グルダ(アマデオ) 16:43
ケンプ(DGステレオ) 16:51
バックハウス(デッカステレオ) 17:31
リヒテル 18:13
グード 19:11
やはりアラウは群を抜いて遅い。実際に聴いてみても、そうとうだ。崩壊するかどうかのギリギリの線を綱渡り。
現実世界とあの世をじっくりゆったり、たゆたう。その響きはひとつひとつが厳しく吟味されて輝いている。冬空の星屑のようだ。この音の美しさは、ミケランジェリやグールドとはだいぶ違うし、ホロヴィッツともやや異なるもの。たっぷりとしたふくらみがあってつややか。
録音もすばらしい。見事なこの音そのものが、アラウ晩年の心情なのかもしれない。
1984年10月、スイス、ラ・ショード・フォンでの録音
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いやー、とうとうやりました!! マサは粘り勝ちです。表情からは、たんたんと野球を楽しんでいるように見えました。マサに貫禄の投球。いっぽうで、打線がなかなか思うようにいかず最後までヒヤヒヤしました。
ロッテですねえ。勢いがあるチームなので要注意。バッチリ勝って、56年ぶりの完全制覇を成し遂げたいですねえ。